教養としての10年代アニメ(2017) 感想 「アニメは現代の教養になりうる」
評価:★★★★☆(星4つ)
ただし後述するアニメ7つを視聴した場合
はじめに
作者はこの記事で有名になった人です。
この本を読む前には以下の7つのアニメを見ておく必要があります。そうでなければ、この本で取り上げられている内容がざっくりとしか理解できないことにないです。( )はこの本を読んで僕が必要だと思った範囲です。
- 魔法少女まどかマギカ(アニメ版と劇場版)
- 中二病でも恋がしたい(1期のみ)
- やはり俺の青春ラブコメはまちがっている(1,2期)
- ノーゲームノーライフ(アニメ版)
- ソードアートオンライン(1期,2期,可能ならばアリシゼーション編まで)
- とある科学の超電磁砲(1,2期)
- コッペリオン(アニメ版,原作漫画)
難解な用語を用いてを説明するので、以下の作品を1つも見ていない人はあまりお勧めしない。伊達に深夜アニメ週20本以上視聴することを条件に講義しているだけある。
ちなみに僕はまどマギ、中二病でも恋がしたい、ノーゲームノーライフ、SAOはアニメ全て視聴済み。俺ガイル、レールガン、コッペリオンはあらすじまで知っている状態でこの本を読んだ。アニメ視聴済みの作品の説明はしっかり読めた。なんとなく見ていたシーンが説明で明確な意味を持つようになったためとても興味深かった。
しかし視聴していない作品は「ふーん。そんな読み方ができるんだー」というなんとなくの印象で終わってしまった。僕は後でこれらの作品は見るつもりです。AmazonPrimeで俺ガイルはあったなー。
この本には他にも多くの作品が登場するが、それは読了後気になれば視聴すればいいだろう。まずは上記の8つを見ておかなければ、この本の内容が頭に入ってこない。もちろんアニメを視聴していなくても本の中で簡単に説明しているが、視聴していると本の説明から物語の細部まで想像を働かせることができる。けれども…
何より若干ネタバレが入っているよ!
もちろん重大なネタバレは避けているけれどもね。
特にまどマギはネタバレしたら大変です。気になる作品は必ず視聴後に読むことを強くお勧めします。
ポイント
ポイントを書きます。今回は2つ
現代の文化や社会問題に絡めてアニメを語る
僕もブログではただ「おもしろかったー」などで終わらないようにしているが、この本の批評はレベルが違っていた。僕的にはペトロニウスさんの物語三昧というブログの批評を良く読んで、僕も下手ながらも参考にしながら書いていた。
- まどマギの物語の構造と過去の文学作品や芸術作品との繋がり
- 俺ガイルやノゲラを通して現代のコミュニケーションに関する問題を扱ったところ
- とある科学の超電磁砲からクローンなどの未来の技術の問題を扱うところ
などが個人的にはよかった。繰り返し読んで僕が批評するときの参考にしていきたい。
アニメの面白さを再確認できる
この本ではアニメを現代社会の問題に組み合わせて語るのが主だが、アニメの内容の説明もとても興味深かった。「セカイ系」とか「日常系」とかなんとなく聞いたことのある代表的な分類方法を紹介していたりした。まどマギではどのようにしてまどマギの作品は生まれたのか、物語の構造はどうなっているのかをわかりやすく説明していた。
個人的にはプロットとサブプロットの説明が面白かった。つまらない話はプロットしかなくて、サブプロットの展開がない作品なのかなーとか思っていた。
加えてノーゲームノーライフの説明も秀逸だった。僕は以前ノーゲームノーライフの感想を書いたのだが、いまいち伝え切れていないなーと思っていた。
本より引用
またこれらすべては情報が示されていない不完全性情報ゲームなので、その過程に紆余曲折があり、ゲームの行方が分からずとてもスリリングで、他のゲーム・ファンタジーと比べようがない。痛快無比という表現は『ノゲノラ』のためにある。
まさにこの通りです。こんな風にまとめられるようになりたいです。
最後に
批評のやり方の参考になるような本でした。上記のアニメを見た人や、アニメの批評のやり方に興味がある人は買って見るといいです。
僕も時間を空けて繰り返し読んで、批評の書き方を身につけていきたいです。
それではー