物語の思考法

~2次元と3次元をつなぎたい~

冴えない彼女の育てかた 3巻 (2013) 感想 「強く言ってくれる人って大切さ・競争相手の重要さ」

冴えない彼女の育てかた3 (富士見ファンタジア文庫)

評価:★★★★☆(星4つ)
 
 
 
小説3巻だけでなく、アニメ2期までのネタバレしています。注意してね。
 

 

 
 
3巻目。安芸くんが英梨々を攻略するお話。英梨々が妹属性キャラに嫉妬して、安芸くんと仲違いする。それをきっかけに7年前のわだかまりを解消するお話だった。ライバルキャラの伊織も登場してなかなか盛り上がって来る巻だった。
 
 
 
基本的にはアニメと変わらない。僕はアニメを見たので、すんなり読んだ。相変わらず本の方は会話が中心で、会話じゃないところも安芸くんのモノローグになっているのでほぼ会話と言ってもいい。これがこの人の書き方なんでしょうね。やっぱりギャルゲーを作っているだけあって、会話を中心になる。だからアニメで映えるんでしょうけどね。
 
 
 
ってこれもう毎回書いているので次からこの部分はスルーしよう。
 
 
 
 
 
 
 

強く言ってくれる人って大切

 
この巻が、アニメ2期の後半との対比になっている。この時の安芸くんは英梨々に書かせることができている。絶対に完成させたいゲームがあるから、英梨々にそれを要求できている。英梨々も安芸くんが求めているから絵を描くことができている。
 
 
 
改めて見てみると、3巻で結構ボロクソに言っている。よく分からないけど、今のお前はすごくない。どうするか分からないけどもっと頑張れよって。僕ならこんなセリフを言われたらまずソイツをぶち殺しにかかる。けどずっと英梨々を見てきた安芸くんが言うセリフだから説得力がある。
 
 
 
のちのシーンの対比がここになっている。アニメ2期終了時点での安芸くんは英梨々が倒れそうになってまで絵を完成させている英梨々を見て強く要求できなくなってしまった。書きたくなったら書けよってぐらいになってしまっている。それが英梨々が脱退させる原因になってしまった。
 
 
 
何かを強く言えることって結構大切だなーと思った。英梨々と7年ぶりの言い合いをしてる友情を取り戻しているところも同じ。言わなくても全て通じるなんてファンタジーの世界しかない。言うべきことは言わないとダメですね。
 
 
 
 
入社3年目までに勝負がつく77の法則
今は叱ってくれる上司が非常に少ない。
 
 
 
叱るというのは、上司にとってはすごくエネルギーの要ることです。やはり部下に嫌われたくないし、部下を育てる責任は、基本的に上司にはありません。
 
 
 
(中略)
 
 
 
だから、君の叱られる機会はひょっとしたら非常に少ないかもしれません。非常に稀な不幸中の幸いとして、叱られる機会があったときには、「ありがとうございます」という視線を持つことです。
 
 
 
(中略)
 
 
 
厳しいことを言われるほど「あ、いいこと言ってくれたな。部下に嫌われるかもしれないリスクをしょって、わざわざ叱ってくれているんだな」と感謝することです。

 

 

 

 

 「入社3年目までに~」を読んだ時の僕の感想の一部。

 

僕も塾ではしょっちゅう怒られる。連絡は確実にしろ。何かする時には理由を明確にしろ。次の人が関わる作業はさっさと取りかかれ・・・などなどキリがないっす。
 
 
 
最初の頃は怒られたことに対してしょんぼりしちゃいました。そのせいで言われたことを受け入れている余裕がなかった。でも言われたことは正論以外のなんでもなかったので、そのうち受け入れられるようになりました。
 
 
 
叱られるとインパクトが大きいのですぐに行動に反映できます。けど、受け入れる方の準備も整ってないと効果は0どころかむしろマイナスになってしまう。僕も最初はマイナスでしたしね。なので怒られる側の姿勢っていうことが大事。
 
 
 
自分一人で成長することってまず無理だから、客観的に意見を言ってくれる人ってすごくありがたいですよね。だからこそ、「厳しいことを言ってくれる人をそばにおく」「社内と社外に師匠をもつ」とかがあるんじゃないかと思います。自分にないもの、見えないものを他の人から得ることが大切になる。
 
 
 
ただし、
  • トンチンカンことを言う人かどうか
  • 話している内容が論理的・状況的に正しいのか
  • 感情的に話さない人かどうか
  • などなど…
ということを確認することは必須でしょうね。

 

 

0range.hatenablog.com

 

 
 
怒られる姿勢の話。今回だと安芸くんが上司で英梨々が社員にあたる。実際プロデューサーが安芸くんで、絵描きが英梨々なのでだいたいあっているはず。正しい叱られかたをすれば、その人を強く動かすことができる。叱ってくれるってことは自分のことを大切に思ってくれていることが多い・・・と思っている。全員がそうではないことも確かだけど。少なくとも僕はどうでもいい人には、どうしようもないって割り切って適当に相手するし、実際そうしている。
 
 
 
塾の生徒でどうしようもなくやる気がない生徒がいて、僕も教える気が失せたいた。そのことを伝えて、塾長に担当変えてくれって言ったら、
 
 
割り切れ、仕事
 
 
と一蹴された。まさか6文字で解決されるとは思ってなかったが、確かにそうするしかないと納得。その日以来、完全に割り切ってまともに対応しないことにした。実際そうすると楽だった。
 
 
逆に頑張って欲しい生徒には強く言いたくなる。最近は叱る大切さに最近気づいたので、いうべきことはためらわず言うようにしている。絶対に行動してくれるとは思わないが、ずっと優しくしても何も変わらない。もちろん暴言吐いたりはしてないつもりだし、言い方には気をつけている。
 
 
 
 
まあ、つまり言いたいことは
 
 
強く言いたくなるってことはその人に期待している感情も含まれているかもよ?
 
 
 
加えて
 
 
言わないとわからないこともある
 
 
ってことです。
 
 
安芸くんもどうでもよかったら英梨々に怒鳴ったりしないでしょ。
 
 
 
 
 
それに英梨々が動いた理由は、安芸くんのためっていう部分も大きい。人って所詮自分のためで動ける範囲なんてたかだか知れてる。根拠はないし言っててクサイけど、なんだかんだで誰かのためって理由は強いと思っている。特に絶対に裏切れないと思っている人のためなら無理をしてでも動く。英梨々にとって安芸くんはそんな人の立場なはず。それに絵を書いた理由が明示されてはいないけど安芸くんだよね。これ。
 
 
 
 
そんな自分の道を見出してくれた人の言葉なら少なくとも僕は無視できない。お互いに言いたいことをしっかり言って清算して、お互いに理解しあって次の一歩を踏み出す。その後にゲームを完成させるために無理するのも納得する。裏切れない人が自分にそうしろと求めているんだから、やめられない。そう考えると結構アツいな、この3巻。なんだか自分で書いてて感動してきた。
 
 
 
 
ゲーム完成後は、ゲーム作りの熱意は少し冷めている。何より自分のために、安芸くんの視点ではサークルのために、無理をした英梨々にやれと要求できない。けど英梨々は安芸くんのために上手になりたいと思っている。だけど今の状態では強くなれない。そんな中で紅坂さんにバカにされて悔しくて書いたらかけちゃった。安芸くんのために強くなる方法が今のサークルにいることじゃなくなってしまった。だから自分の成長のためにサークルを抜けることになる。物語的には安芸くんの攻略対象からは完全に離脱しちゃってるけどね。
 
 
 
 
 
 
 
 

ライバルとか競争相手って重要

2巻まではサークル内部での争いだったけど、この間からライバルが登場する。英梨々のライバルで出海ちゃんであり、安芸くんのライバルが伊織って感じか。やっぱりライバルが出るとアツくなってくる。
 
 
 
やっぱりあいつには負けられないって相手がいるっていいですね。あいつがすごくて自分も頑張らなきゃって思える。すごすぎて自分が虚しくなる時も結構あるけど、上には上がいるんだ、自分もまだまだだなって思える。僕の周りにはプログラミングが恐ろしく得意な人が多いので、日々刺激を受けています。難関大学に行く理由ってむしろこれじゃないかと最近思ってる。大学に入って思ったことは、自分よりすごい人なんてたくさんいるんだってことだったから、余計にそう思う。
 
 
 
英梨々も最強キャラっぽいけど、出海ちゃんの登場でライバルを意識して自分の実力を考えるきっかけになっている。その結果、自分も成長していこうって感じがとても好きです。伊織もなんだかんだでいいやつだから泣けてきます。
 
 
 
 
 
 
 

最後に

毎回すんなり読めるわりには結構深いんですよね、この本。仕事とか勉強とか努力とか色々考えさせられる面が大きい。おまけにキャラが立ってるから物語としても面白い。
 
 
なんか叱ってくれることについて書いてる時で途中で何が言いたいのかわかんなくなってきた。まあいっか。毎回完璧にかけるってわけじゃないし。次はしっかり言いたいことをまとめられるようになりたい。次で頑張ろう。
 
ラノベが追いついたら、もう一回アニメ見よう。
 
 
それではー