物語の思考法

~2次元と3次元をつなぎたい~

冴えない彼女の育てかた 4巻 (2013) 感想 「強引な勧誘はやめようね。されたら嫌でしょ!」

冴えない彼女の育てかた 4 (富士見ファンタジア文庫)

評価:★★★☆☆(星3.5つ)
 
 
加藤・英梨々・詩羽先輩に続き4人目のヒロイン登場。出海ちゃんは数えてない。
 
親とケンカして家出してきた美智留。家出先として倫也くんの家を選ぶ。そして部屋で再開。倫也くんの部屋でギターの練習をしていた時、その音色が倫也くんの琴線に触れる。ゴタゴタの末に、倫也くんがバンドのマネージャーになることを条件にサークルに加入する。中心となることは、倫也くんが自分の行動を反省して、相手を立てた上でサークルに加入させる行動。それとギャグセンスの高い会話。地味に毎回登場する加藤の存在感でした。
 

 

美智留の加入の話より、英梨々や詩羽先輩の掛け合いやギャグのセンスが響いてきた。美智留の登場で幼馴染の看板が外される英梨々、すかさず突っ込む詩羽先輩。対抗して口がよく回る英梨々が面白いです。やっぱり4巻ともなるとキャラが立ってきてる。アニメで一回見たけどこういう部分はとても面白かった。
 
 
 
 
 
 

人の振り見て・・・ってやつ

「あんた、さっきまで私にサークル入れって言ってたよ?」
 
 
「う......」
 
 
「非オタに、オタになれっていてたんだよ?」
 
 
「......ごめん」
 
 
そして、相手に言われて見て初めて気付く、俺の熱意の暴走の、最悪の結果。
 
 
気づかないうちに、どれだけ俺、美智留を傷つけていたんだろう。

 

 
ブーメランかな。倫也くんの熱意のある行動を美智留が倫也くんに対してやって初めて自分がそういうことをされていたんだと気付く。今までは自分に好意がある人が中心で、相手はさほど嫌な顔をしてなかった。けど今回はさほどサークル活動に興味がない人だったからいつもの勧誘活動が通じなかったようだ。熱意で押し切れない人もいるわな。そりゃ。
 
 
 
なので今回は交換条件で美智留を加入させる。バンドをプロデュースしてやるからサークルで劇版やってね!みたいな。
 
 
 
 
高校生が劇版ってできるんだろうかなぁという疑問はするべきではない。重要なのはそんなところではない。ラノベという世界ではどんな道の人でも高校生でプロであり、大学生以上はもはや歴戦の猛者、百戦錬磨の風格を漂わせる異世界であるということを忘れてはいけない。
 
 
アルミンは語っている。100年間壁が破られなかったからって明日破られない保証はないと
 

 

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つまり英梨々と詩羽先輩を落とせた技が次も通用する保証はないということだった。
 
 
 
この時の教訓ってこの後の展開で活かせたかどうかはちょっと忘れてしまった。なのでちょっと読むときに気をつけておきたい。
 
 
 
 
 
 
 

加藤の感情の変化について

 
「見栄、張るよ......女の子なら、さ」
 
 
 
さすがメインヒロイン。加藤は毎巻じみな活躍を見せる。今回はスクリプトの作業を加藤が覚える。ゲームでもしててと言われてゲームするしかなかった加藤。メインヒロインって一体なんだよと言われていた加藤。そんな加藤がようやく明確なポジションに着く。さすがに役立たずは悔しかったのかな。
 
 
 「えっと、それはほら、わたしもちょっとくらいはお祭りに参加してみたくなったっていうか......みんな楽しそうだし」
 
 
 
「裏では血反吐吐いてるけどね」
 
 
 
「あはは、そこまで頑張るのは無理だけど、みんなの輪の、ほんのちょっと外側くらいにはいたいかなって」

 

 
加藤の感情の変化がよかったです。平坦なセリフの中に悲しそうな感情が盛り込まれているのが響いた。
 
 
 
誰だって役立たずは悔しい。僕もハッカソンに出て役立たず食らった時は本気で帰りたくなったし、自分の実力不足で死にそうになったわ。
 
 
 
 
加藤頑張れ! お前はできる子なんだぞ!
 
 

 

 

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最後に

 

『だって歪だよあのサークル。みんなが無理してトモにあわせてるじゃん』
 
 
今後の不穏な空気が漂っていた。まあアニメ見たからかもしれないけど。
 
それに無理して倫也くんに合わせてないのは加藤だけ。英梨々と詩羽先輩は立っている立場というか実力が違いすぎているので無理もないかもしれない。
 
 
アニメ1期最終話の美智留のバンドシーン。あのキャラソンはけっこうお気に入りです。M♭の次くらいですね。

 

Cherish you

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次から5巻だけど、短編集とかいつ読んだらいいんだろう。ちゃんと調べないと。
 
 
 
それではー