物語の思考法

~2次元と3次元をつなぎたい~

プラスティックメモリーズ(2015) 感想 「限られた時間をどう過ごすか」

 

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評価:★★★★☆(星4つ)

 

今回の結論

1話を見れば結末がわかる。だがそれがよかった。

設定が気になる人は見ないほうがいい。

 

 

目次

 


概要のようなもの

現代より少し科学が進んだ世界。
18歳の“水柿ツカサ"は、大学受験に失敗したものの、親のツテのおかげで
世界的な大企業SAI社で働くことになった。
SAI社は、心を持った人型のアンドロイド、通称『ギフティア』を製造・管理する企業で、
ツカサはその中でも、ターミナルサービスという部署に配属される。
だがそこは、寿命を迎えるギフティアを回収するのが業務という、いわゆる窓際部署。
しかもツカサは、お茶汲み係をしているギフティアの少女“アイラ"とコンビを組んで仕事をすることになってしまう…。

 

gyao.yahoo.co.jp

 

河合荘に続き、またもやAmazonビデオで視聴。そういえば昔見たいと思っていたなーと思いつつ、6/5の21時から視聴開始。休憩を挟みつつ翌朝3時まで一気に視聴。いや、全体的によかった。設定とかいろいろ突っ込みどころはあるが、キャラクターの心情に注目してみればさほど気にならない。気にしてたらこのアニメ見れないよ…。

あとアイラちゃんかわいい。

 

1話を見ればオチがわかる。あえてここでは言わないが、あらすじを見て気になった人は1話を見るといい。1話を見ればこのアニメが何を言わんとしているかがわかる。僕は1話でうるっときた。

 

現実の世界では昨今AIや人工知能が話題になっている…という雰囲気がある。googleの自動で色塗るやつとかマイクロソフトのりんなとかIBMのワトソンとか昨今いろいろある。今はいわゆる第3次人工知能ブームという時期に位置していて、このブームはあと数年は継続するとみられている。アンドロイドの実現はまだ時間がかかりそうだが、人のように対話をするシステムは既にテスト段階に位置している。僕はアンドロイドの実現ももう全くあり得ない話ではなくなっているような気がしている。心を持ったロボットへの倫理を考える意味でも、このアニメは良い題材だと思う。これらの分野に興味がある人は見るといいだろう。感想でもこのあたりは触れていくこう。

 

それでは感想に入ります。


感想


ポイントに分けてズラズラ書きます。今回は3点。

 

 限られた時間をどう過ごすのか


1話でギフティアの耐久時間が約9年4ヶ月であり、2話アイラちゃんの稼働時間が残り少ないことが視聴者に知らされる(ツカサ君が知るのは6話)。1話の時点で最終話でアイラちゃんが回収されるのだろうと90%の視聴者が思ったはず。しかも最終話でちゃんとその通りになった(笑)


でもゴールが予想できるからこそ、今回の重要なところはゴールがどこかではなく、ゴールまでの過程がどう描かれるかがこの作品では重要だったと思う。

 

つまり死ぬことが決まっているアイラちゃんや他のギフティアを見て、ツカサくんはどうするか?ってところが重要だってこと。これは「メモリーズ」とタイトルにあるようにツカサくんは「思い出」を残すことを選択した。つまり楽しく残りの時間を過ごすことにした。遊園地に行ったりご飯作ったり…。

 

現実の方につなげて考えると、「人間も限られた時間をどうすごしますか?」ってことが鍵だと思う。人間はギフティアみたいにいつ寿命が来るか分からないけど、いずれ死んでしまう。しかも死ぬ前はだんだん衰弱してくるのでアイラちゃんみたいに死ぬ間際までホイホイ動けるわけではない。

 

blog.livedoor.jp

 

僕個人としては、時間を幾つかに区切って自分がやりたい目標を立ててそこに向かって行動するのがいいと思っている。時間が無限にあると、人間ダラけるんだよね。それで大してやらなくてもいいこととかに手を出して時間を浪費するってことが僕自身もよくある。だからといって死を意識して生きるなんて、少なくとも20代の僕は想像できない。

 

だから5年とか3年でも幾つかの単位を決めてその決めた時間の中で行動するのがいいのかなと僕は思っている。自分が考えた目標を意識することによって生き方にメリハリが出てくるはず。ただその場の状況に流されるのままに生きていると毎日の達成感が感じられないと僕は思う。僕の知り合いの企業した人とかはいつもこうしたい、あーしたいって話がいつも出てくる。でもそれはわがままって感じはしなくて、ある意味欲望がわかっているから、そのためにどうでもいいことを効率よくこなしている雰囲気がある。

 

アニメの中でも残り時間が1000時間と決まっているからこそその中でやりたいことを決めて行動できたのではないかなぁ。

 

 

 AI・人工知能の発達について


この作品は心を持った機械が実用化されている世界が描かれていたけど、そのアンドロイドに対する倫理的な問題はあまり触れていなかった。闇回収屋とかアンドロイドチルドレンとかいたけど。あまり作品の根幹には関わっていない。

 

女性型ロボットとか出てきたら、まず間違いなくエロ目的に考える奴が出てきそうなんだけどな。最近じわじわきているVRとかも、今人気があるのはゲームとエロだし。さすが人間の3大本能だけあって手が早い。でもこの作品でそういうのは出すべきではないと思うけどね。なのでこの作品の中心は1つ目の「限られた時間をどう過ごすのか」って部分なのだろう。アイラちゃんとツカサの心境の変化を描くのがこのアニメがやりたかったことだと思う。

 

AI関連のアニメで有名なのは「イヴの時間」だろう

イヴの時間 劇場版


10年前の作品だが、内容は今でも通用するはず。限りなく人間に近づいたアンドロイドと人間の違いについて考えさせられる作品。プラメモみたいにラブはない。ややコメディ調の部分もあるが、プラメモよりアンドロイドに対する倫理的な問題に突っ込んでいる。

 

今、AIが流行っているし、これから欠かせない技術になることは間違いない。ソフトバンクはAIを新卒採用に使っているし、IBMはワトソンを中心事業の1つに据えている。googleは言わずもがな。ちょっとくらい知っておくといい知識であることは間違いない。

 

www.nikkei.com

 

現在のAIの発展の中心になっているのが、機械学習という技術である。もっと言えばディープラーニングと言う技術である。
「AIはどうやって作られているのか」が気になる人は以下の本をお勧めする。ソフトバンクの孫さんもおすすめしていたので、おそらく間違いないはず。

 

 


主人公の背景や成長度がよく分からない


なんで部長と知り合いなの、とか大学受験の前に何があったの?とか主人公の背景となる出来事が描かれていないため、主人公の成長が分かりズラい。もしかして大して説明していないことが背景だったりするのだろうか。つまりツカサはフツーの高校生であるってことが背景で、その普通の子が大学受験失敗を機にターミナルセンターに就職。ギフティア回収業務とアイラの出会いを通して成長しましたよーってことなのだろうか。僕の中ではこれしか思いつかなかった。誰か教えてくれー

 

なんらかの状態から作品中の経験を通してプラスに成長するのが物語だと思っている。ツカサがどんな状態からどういう状態へ変化したのかをもう少し明確に描いてあればよかった。まぁ書いてなければ考察して無理やり納得するけど。

 


最後に


1話を見た勢いで最後まで視聴してしまった。次の日寝不足で大変だったが、後悔はしていない。設定の不備がとっても気になる人にはお勧めしないが、純粋にキャラクターの心情に注目すれば感動する作品だった。

 

vita版を買うかがとてつもなく迷う。ツカサくんの背景とかアイラちゃんのTrueエンドが気になるからなー。


3000円くらいならすぐに買うんだけど。

 

それではー