西の魔女が死んだ(1994) 感想 おばあちゃんとの交流を通して成長のきっかけを得る物語
評価:★★★☆☆(星3.5)
派手な展開はない。終始和やかな雰囲気だった。読む人によってはとても退屈に思えてしまうような作品。しかし、その本当に自分がその場にいるような雰囲気にさせるような丁寧な描写がおばあちゃんと孫のマイとの交流が本当に目の前で行われているような気分にさせてくれた。
おそらく自分の死期を予言していたおばあちゃんが大切な孫であるマイにゆっくりと丁寧に大切なことを教える。その中心にあったのが「自分で決断すること」だった。
その決断することの大切さは解かれているのだが、マイがめちゃくちゃ心のそこから葛藤している雰囲気はあまりなかった。決断するシーンは転校を決めるところはもちろん、あとはおばあちゃんから土地をもらうところくらいだったはず。
転校に関しては、おばあちゃんとの交流をとおして自分の学校での出来事をある程度肯定的に捉えることができるようになったからこそすんなり決まったので葛藤が少なかったのかな。
おばあちゃんが死ぬところは感動的なシーンなんだけど、あからさまに伏線がありすぎてイマイチ感動しなかった。いいシーンではあるのだけれども。
おばあちゃんの予言していた内容は自分の死ぬ時についてだろう。自分が死ぬことがわかっていたおばあちゃんは、何を思って孫と接していたのだろうか。死を受け入れて、孫にできるだけのことを残そうとしていたのだろうか。
死ぬ日がわかっていたとしてそれまでに何ができるか、という点ではプラスティックメモリーズを思い出した。作中におばあちゃん視点の心境などもあったら面白かったかも。
ラノベやアニメを読みすぎていたためか、若干退屈に思えてしまった。そのため感想もあまり湧き出てこなかった。
いい小説ではあったと思います。
それではー