物語の思考法

~2次元と3次元をつなぎたい~

冴えない彼女の育てかた GirlsSide (2015) 感想 「2人の絆と新たな居場所」

冴えない彼女の育てかた Girls Side (富士見ファンタジア文庫)

評価:★★★★☆(星4.5つ)
 
 
この回はアニメでもすごい感動したけど、小説でもけっこうグッときた。
アニメでは見えていなかった内容が書かれているので、かなり見方が変わった。
 
 

 

 
詩羽先輩と英梨々が違いに信頼し合っていることがよくわかる。詩羽先輩の方が大人で、英梨々が才能を持て余した子供のような感じになっている。だからこそ視点も詩羽先輩の方が達観している。英梨々を認めていて、だからこそ自分が守っていこうといくまでの心情の変化がよく表れていた。
 
 
 
 
本編のように倫也くんの1人称じゃなくて、3人称視点なのもいい。丸戸さん、3人称もかけるんだなーと少しびっくり。僕は1人称だとどうしても自分の心情が入りづらくなる。今回この本を読んで、やっぱり3人称視点が好きなんだなーって思った。
 
 
 
 
それに加えて、挿絵がいいんですよ。枚数は多くないけど、書くべきところに全力投球している。最後の3つの挿絵はちょっとうるっときちゃいました。絵も確かに綺麗なんだけど、2人が互いに信頼しあっていることが伝わってくる…… そんなような挿絵でした。
 
 
 
 
 
 
 
 

そして龍虎は神に挑まん

 
この部分で色々思った。もちろんアニメでも見たから根本的な内容は同じ。だけどやっぱりここが物語の転換点だから色々考えちゃう。
 
 
 
ここはもう自分の居場所じゃないってどういう気持ちなんでしょうかね。
 
 
 
 
僕はアルバイトでいくつかの塾を転々としましたけど、ここで学べることはもうないのかなぁと思ったら辞めるときだと思ってた。「ここにいると怠けちゃうからやめる」って人がいた。その時は「コイツ意識高いなー」とか思っていた。
 
 
 
 
 
だけど、今考えるとその通りだった。どうしても居心地がいいとその場所に残りたくなるのはわかるんだけど、その場所にダラダラといると自分が腐っていくような感じになってくるんですよね。今は居心地がよくても、いつまでも続くわけじゃないからこそ、辞め時って重要だと思います。
 
 
 
 
 
僕の尊敬するペトロニウスさんも書いているけど、仕事と恋をどっち選ぶかって言われたら、そりゃ仕事を選びますよ。詩羽先輩と英梨々は10代なんだから、なおさらそう。しかも詩羽先輩は商業デビューしていて、英梨々もその素質が十分にあるとなれば、やらない理由はない。倫也くんたちとは立っている場所が根本的に異なっている。
 
 
 
 
 
 
英梨々は倫也くんにすごいって思わせるために絵を書いてそれを成し遂げた。3巻の倫也くんの立場を、紅坂朱音が受け継いでいる。英梨々の居場所はもうサークルじゃなくなった。詩羽先輩は商業があるから、自分の居場所は別にあるけど、英梨々はない。
 
 
 
 
そんなときに自分の才能を認めてくれて、確実に強くなれる環境があるってわかったら、そりゃサークルを捨てますよ。
 
 
 
 
 

最後に

成長を見守るアニメっていいですね。初めて冴えかののアニメを見た時はハーレムアニメかと思ったけど、常に挑戦と成長があるから見ていられた。自分も頑張らないとという気持ちになってくる。
 
 
最近だと、僕のヒーローアカデミアとかもしみじみする。
 
 
次は9巻に行きましょうか。
 
 
 
それではー