冴えない彼女の育てかた 12 (2017) 感想 「高校生がそれをやっていいのかな……」
評価:★★★☆☆(星3つ)
12巻はあれ? って思う部分が多かった。
一番は高校生でサークルの部長の倫也くんが商業のビックタイトルを担当するところだった。いくら倫也くんが詩羽先輩と英梨々をよく知っているからって、それだけの理由でゲーム作りを任せるのはちょっと理由が足りない。
僕の感覚だけど、サークルと商業じゃ責任とかやり方とか違うと思う。僕は大手の個別指導塾でバイトしていたんだけど、友達が起業したところでもバイトしていた。前者は本当に指導だけしてればよかったんだけど、後者ではそれだけじゃなくて給料の管理だったり、顧客の対応だったり、色々責任のある仕事が増えていった。社長の方にも何回怒られたかわからない(笑) なのでサークルのやり方がそのまま大企業相手に通用しているのはちょっと疑問。
前作のゲームは完成には至っているけど、ディレクション的には失敗している倫也くんに、大型タイトルの責任感満載のディレクションを頼んで大丈夫なのだろうか。それこそ、伊織に頼んだり、分業したりした方がいいんじゃない? と言うかプロデューサーの伊織に相談してないよね。
紅朱企画の人間が1人も出てこないのもどうなのか。自分以外誰も任せられないって会社としてどうなのか。今いる登場人物でなんとかしようとするのが透けて見えてしまった。
それに延期を申し込むシーンが省略されていたのも不思議……そこは神ゲーであることを主張して英梨々と詩羽先輩の良さを訴えかける重要なシーンなのではないのか。
せっかくリアルなゲームの開発を描いたお話なのに、自分のゲーム制作を無視して高校生にわりに合わないことをさせたせいで冷めてしまった。1~12巻の中では一番ツッコミどころがありました。
英梨々が倫也くんと一緒にいても仕事できるようになっているのは、英梨々の成長が感じられてよかった。と言うか1~12巻までで一番成長しているのは英梨々。続いて加藤か。
倫也くんは進路をどうするんだろう。英梨々に絶対追いつくって宣言したからクリエイターの道に進むんだろうけど、物書きとディレクター、どっちに進むのかな。ディレクターとして進むなら紅朱企画に入りそう。紅坂朱音のお世話になりながら業界を学んでいく…みたいな。物書きでも同じかな。
そして12巻を元にして加藤恵ルートが作られるのか…… いろんな意味でどう続いていくのか楽しみです。次で最終巻なのでどうやって着地させるんでしょうね。
発売後は最終巻の感想を書いて、最後に全体の感想を書こうかな。
それではー