物語の思考法

~2次元と3次元をつなぎたい~

響け!ユーフォニアム2 (2016) 感想 「後悔がないように生きろ」

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評価:★★★★☆(星4.5つ)
 
 
響け!ユーフォニアムの続編。1期では久美子と麗奈を中心に描かれていたけど、2期は久美子ではなく、田中先輩を始めとするそのほかの部員の方に焦点が当てられていた。前半の望美先輩のエピソードもあるけど、やはり本番は関西大会後の田中先輩の話でしょうね。10話の久美子の叫ぶシーンは最高に感動できた。
 
 
 

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加えて1期で残っていた疑問はしっかり回収されていた。滝先生の指導する動機、麗奈の恋愛の結末、大会の結果、お姉さんの役割などなど、あれどうなった? みたいなのはなかった。
 
 
 
キャラクターの成長、各個人の背景、物語としてのゴールまでキッチリ描かれていた。間違いなく最良の一つに部類されるアニメだった。
 
 
 

 

 
 
 

今ある状況が間違っているならどうするべき?

1~6話の部分。1期のラストから関西大会までのエピソードについて。
 
 

前半、望美先輩と鎧塚先輩の関係の話

 
散々引っ張っておいて、鎧塚先輩のコミュ障が原因だった時は少し笑った。オチは確かに少々拍子抜けした。しかし、だからと言ってこのエピソードを飛ばすわけにはいかない。1期からポロポロ上がっていた今の2,3年生のトラブルを拾う話なので、これはこれで物語的に重要な過程。
 
 
 
 
部の問題とコンクールの是非が対比されているように感じた。
 
 
 
 
部の問題では、北宇治高校の昨年の3年生がクズすぎて、意識高い一部の部員がやめたと言うのは1期で語られていた。そこでやめるべきなのか、残るべきなのか。やめた望美先輩と残った他の2年生の人。滝先生が顧問として登場したことで、結果的に残った側に利が生まれた。加えて望美先輩が部を辞めて何がしたいか、何をしたかといったことは描かれてなかった。なので、これは一概にどちらが正しいとは言えない。
 
 
 
 
でもアニメ的にはその場に残って状況を変えるべきだと言っている気がした。コンクールの是非の話で、麗奈は結果を出さないやつが文句を言うは間違っていると言い、優子先輩は昔の部の年功序列は間違っていると言った。こう言う発言になったのは府大会で結果を出したからこそ、昔の状況を否定できたのでしょうね。
 
 
 
 
なにはともあれ、鎧塚先輩の関西大会金賞受賞後のセリフ「たった今好きになった」って言うのはなかなか感動でした。鎧塚先輩、本当に可愛いです。
 
 
 
 
まあ結局最終的にこのエピソードは次にあった田中先輩のエピソードへの踏み台みたいになっちゃったけど。
 
 
 
 
 

中盤 関西大会

1期の最終回では三日月の舞では所々声優の声が入っていたので純粋なFull Versionとは言えなかった。そこから言えば、しっかりと曲の最初から最後まで聞かせてくれたのはすごいよかった。やけにシンバルの子の姿が印象に残ってます。
 
 
 
 
音楽を題材にしたアニメだと、CDを売り上げるためにやけに曲数を揃えるものが多い。ラブライブとかアイドルマスターとか。アニメ放送中は毎週のように曲を披露していたし。あ、批判しているんじゃないですよ。ユーフォニアムアイマスでは作品の方向性が違うから、ユーフォニアムではアイマス方面に振り切らなくてよかったという意味です。真摯に内容で勝負している感じがした。変なフィクション感を出してこなくてよかった。
 
 
 
 
 
 
 

後悔のないように生きろ

 7~13話の部分。関西大会後から卒業までのエピソードについて。
 
 

後半 田中先輩のゴタゴタ

 
 
2期のメインストーリー。2期の山はここにある。お姉さんと田中先輩を絡めながら、田中先輩の状況に迫っていく。
 
 
 
 
親のいいなりになって進路を決定して後悔して生きたお姉さんと、今まさに親のいいなりになりかけている田中先輩の比較が見事。お姉さんの状況を見ている久美子が、田中先輩に対して行動せざるおえない状況が痛いほどわかった。
 
 
 
 
間違ってしまったお姉さんと同じ失敗を繰り返さないように先輩に向かって叫ぶ。状況だけじゃなく、声優の演技もとてつもない。声だけでもパワーが響いてきた。姉の「後悔のないように」と言葉から、久美子が田中先輩とやりたいことを全力で言葉を絞り出して叫んでいる姿は「すごかった」と言う言葉以外でてこない。黒沢ともよさんの自然な声がよりリアルさを増していた。
 
 
 
 
最後には久美子父が言っていたように「本気なら覚悟を示せ」とあったように、お姉さんができなかったことを、田中先輩が模試の成績を取って親に示すことでしっかり体現していた。お姉さんのこのエピソードは今の高校生にしっかり見せたほうがいい。
 
 
 
 
 
親の言うことにしたがったり、なんとなく大学に進路を決めるとこうなるんだよ! ということを示すとてつもない良い例。こうやって大学に進学し、授業についていけずに中退する人が世の中に多数存在します(笑) NHKは2期も放送しよう。
 
 
 
 
 
田中先輩が他人に興味がない理由は、他人のために全力な人が嫌いなんですね。自分のために生きていた田中先輩にとって、他者の関係に依存する人たちはどうでもよかった。だからほかの人が信用ならないから人間関係に対して厳しい。そう考えるとあの叫びで田中先輩が涙を流した意味はとても大きい。
 
 
 
 
だけど、田中先輩が久美子を勉強に呼び出した理由が分からなかった。「ユーフォっぽい」って何だろうね。誰か教えてください。
 
 
 
 
それに田中先輩は最初から模試で結果を出して部活に戻るつもりだったのかな。それともあの叫びを聞いて模試を利用することを思いついたのか。うーん…… どっちなんだろう。前者ならあの久美子が叫ぶ名シーンの効果がよく分からないことになっちゃう。これはちょっと分からなかった。
 
 
 
 
 

終盤 全国大会と卒業式

 
2期12話、久美子がユーフォが好きだと告白する。1期でなんとなく吹奏楽部を続けて、なんとなくユーフォ二アムをやっていた姿から比較すると本当に成長した。本当に自分のやりたいことを見つけ出したんでしょうね。田中先輩のように目標となる人を見つけて、本当のスタート地点に立ったんだなぁと言った感じでした。
 
 
 
 
 
 

最後に

1期2期ともにとてもいいアニメでした。純粋に部活に打ち込み、成長と努力を真摯に描く。それだけじゃなく恋愛模様など、ちゃんとした青春学園ものとしても成り立っていた。間違いなくほかの人におすすめできるアニメ。僕も日をあけて見直したいです。
 
 
 

 
新作映画も公開決定だそうです。楽しみですね。
 
 
それではー