物語の思考法

~2次元と3次元をつなぎたい~

閃の軌跡Ⅲ (2017) 感想「軌跡の物語としては面白いが、Ⅶ組の物語としては残念」

英雄伝説 閃の軌跡III

評価:★★★☆☆(星3つ)
 
 
閃の軌跡Ⅲクリアしたので感想を書きます。全てネタバレですので、クリア後に読んで下さい。
 
 
未プレイ向けに書くと、閃の軌跡閃の軌跡Ⅱ をやっていない人はおすすめできません。なので上記の2作をクリアしてから購入しましょう。
 
 
 
 
僕の背景は以下のものになっています。参考までに。
プレイ時間:80時間 発売日に購入、10日ほどでクリア
プレイ作品:空3作、零碧、閃Ⅰ 閃Ⅱ 全てクリア済み ついでに那由多の軌跡もプレイ済み
 
 
 
 
 
※コメント
前にあげた記事がまとまってなかったと感じたので、改めて整理してみました。
 
前回の記事を参考にしていますが、8割以上は書き直しました。
 


 

 

 
 
 
 
 
概要は以下の通りです。 

 

 
・良かったところ
  1. 軌跡としての物語が進む
  2. ラストの怒涛の展開
  3. 空零碧のその後がわかる
  4. グラフィックがキレイ
  5. ロード時間が短い
  6. やりこみ要素がわかりやすい
  7. OPとEDの曲がカッコいい
  8. メッセージログ機能
 
 
・どちらでもないところ
  1. ブツ切りエンド
  2. 新Ⅶ組の人たち
  3. 詳細な設定があるモブキャラ達
 
・悪かったところ
  1. テンプレ展開が多すぎ
  2. 戦闘システム(オーダー・ブレイク)について
  3. キャラクターのセリフや文章が拙い・同じセリフを繰り返す
  4. ストーリーに絡まないメインキャラクターが登場する
  5. 声優が複数キャラクターを演じすぎ
  6. CV~~ とかいらない
  7. 旧Ⅶ組が色々と問題がありすぎる
  8. ユウナが特務支援課の知り合いだということ
  9. アッシュがハーメルの生き残りだったこと
  10. 異名がついている人が多すぎる
  11. キャラクターの動作が不自然すぎる
  12. 戦闘シーンのHPやCPが小さくて見にくい
 
・総評
・最後に

 

 
 
 
 

良かったところ

まずは良かったところです。プレイして見て感動したところ、楽しめたところをピックアップして語っていきます。

 

 

1. 軌跡としての物語が進む
2. ラストの怒涛の展開
3. 空零碧の繋がりとその後

 
 
閃の軌跡Ⅰ IIで広げるだけ広げた風呂敷をようやくたたみだしました。残りの騎神の登場、鋼の聖女の謎、クロスベルのその後、鉄血の子供達の過去、オズボーン宰相の過去、ノルドの巨大な騎神の正体、黒の史書、あげたらキリがないですね。閃の軌跡だけじゃなく、空や零碧との繋がりもバンバン出してきたので、空からプレイしている身にとってはかなり美味い。
 
 
 
 
1章ではやっぱりハーメルですね。ハーメルにたどり着いた途端のBGMで泣きそうになった。エステルやヨシュアからではなく、アガットから語られるってところが余計にリアリティを増していた。結社の人もハーメルに敬意を評していた状況も感動を増していた。そのあと機密や許可証なんてなんでもなかったようにドカドカと人が入ってきたシーンは事情はわかるが少々萎えた。
 
 
 
 
2章のクロスベルも零碧が好きな僕としてはかなり良かった。昔のBGMを使って3D化されている街並みはとても懐かしかった。全マップに行けなかったのが少し残念だったけど、よく作ってくれたと思います。ユウナの人間関係に若干引っかかったけど、クロスベルの代表として結社や帝国に好き勝手されることに「ふざけるんじゃないわよ」と文句をいうシーンはとても感動できた。
 
 
 
 
そして特に4章から最終章で一気に展開される衝撃のストーリー。至宝の登場、共和国との戦争、ミリアムの死亡。特にカレイジャス轟沈はしびれました。旧Ⅶ組の「おれに任せて先に行け!」で、プレイがめんどくさくなっていた気分が一気に目覚めた。こういう展開をずっと待っていたんだよ!!!!
 
 
 
 
過去作との繋がりをしっかり描いていたのはとても良かった。個人的にはティータとレンの約束の話は涙が出てきた。早く成長した姿をゲームで見てみたい。
 
 
 
 
 

 4. グラフィックがキレイ

 
グラフィックは本当にキレイになった。売り上げが落ちたとか言われてますけど、個人的にはVitaを切って正解だと思ってます。どのくらいかわからないけど、FalcomによればDL版も好調みたいなので、一概に失敗とは言えない。
 
 
 

 

 
 
 
ストーリーの途中で閃Ⅱの回想が入るところと比べると変化がわかりやすい。簡単に言えばカクカクでなくなっている。モーションはまだまだとは言え、画質に関しては本当にキレイだった。
 
 
 
 
 

5. ロード時間が短い

閃の軌跡から比べると本当に成長した。ロード時間とは関係ないけれども、やや気になる部分はあった。最終章の宰相の演説シーンで少し読んで、ロードして、また少し読むといったようなところでは、テキスト量が少ないせいもあり、ロードが邪魔に感じた。
 
 
 
 
 

6. メッセージログ機能

今までの軌跡では、間違ってボタンを押してボイスやテキストを逃すことって結構あったんですよね。僕だけですかね、これ。案の定、今回も何度も間違って飛ばしてしまったところがあった。だからこれは本当にありがたかった。軌跡はもはやゲームであり、ストーリーを楽しむラノベみたいな要素があるので、ログ機能は本当に必須。なぜ今までなかった……
 
 
 
 
 

 7. やりこみ要素がわかりやすい

シリーズを重ねるたびに、やりこみ要素は優しくなっている。クロスベルマラソンのような壮大に街を周回するようなことは閃の軌跡に入ってからは少なくなった。今回はサブイベントや釣り、一部の書籍に関しては全て表示されるので、取り逃がすことは少なかった。けれども人物ノートや隠し書籍に関してはマップ表示されないので、マラソンの観点での軌跡らしさは残っていた。
 
 
 
 
 

8. OPとEDの曲がカッコいい

OPとEDは小寺さんじゃなくなりましたね。さすがに毎回小寺さんだとそろそろ飽きてきた感じがあったので、今回は良かった。別に小寺さんがダメってわけじゃなく、色々なfalcomボーカルを聞きたいという意味。
 
 
 
軌跡シリーズやザナドゥなどのAmazonのレビューを見てみると、ストーリーやブチギレエンドが酷評されることはあっても、音楽が批評されているものはほとんど無い。その酷評も軌跡EvolutionシリーズのBGM改変くらい。それだけfalcomの音楽は素晴らしいのだろう。だろうというか、僕も結構好きです。
 
 
 
 
OPはアニメが少々微妙だが、音楽に関しては爽快感があって良い。EDもラストシーンからの重い雰囲気がそのまま歌につながっているようでとても好きです。僕の中では閃の軌跡のI miss you を呼び起こした。両者ともに早めの配信求む。
 
 
※11/11 追記
無事配信されるみたいです。iTunesなどDL版も同時発売のようです。
 

 

 
 
 
 
 

どちらでもないところ

次に一般的には褒められていたり、酷評されているけど、自分的には良いとも悪いとも感じなかったところをあげます。

 

 

ブツ切りエンド

多くの人が指摘されていますが、僕は気にならなかった。終わるとは最初から思ってなかったからね! ただ僕が気にならないからといってそれでいいかと言えば、そうでは無い。
 
 
 
1作で話をまとめられていないというのは、商業的にはいいのかもしれないけど、消費者の印象としては最悪になる。モヤモヤしたままの感情を抱いて1年以上過ごす気分はあまりいいものでは無い。
 
 
 
 
空の軌跡FCでは、リベールの問題ははらみつつも、エステル達の準遊撃士としての成長はひと段落した。零の軌跡もクロスベルの問題は解決していないけど、ロイドたちの状況やリベール以外の世界観を示す目的はしっかり示せていた。閃の軌跡は何もまとまらずに、ラスボスも明らかにならないまま、ぶつ切りエンドを今回で3回も繰り返した。1回ならまだしも、これだけ繰り替えせば消費者の意見もごもっともだろう。終わり方もテンプレになってしまっている。
 
 
 
繰り返しますが、僕はブツ切りエンドはなんとも思ってないです。むしろ盛り上がってきたなぁとワクワクした側だった。
 
 
 
 

新Ⅶ組の人たち

新キャラになんとも思わなかったのもどうなのか (笑) あとで書きまくりますが、僕は旧Ⅶ組メンバーが嫌いです。理由は前回の記事で書いたので、それを参照しましょう。めっちゃ長いです。
 
 
 
 
Ⅶ組が嫌いな理由 
軌跡の物語としては面白い。だけど7組の物語としては全く面白くない。その理由を語るのに、少し時間をを取らせてもらいたい。僕はストーリーには2つの要素があると思っている。世界観とキャラクターのことです。
 
 
 
 
世界観がなければ、そこで活躍するキャラクターたちに感情移入することは難しい。だからこそしっかりとした世界観を構築して、その世界がまるで本当に存在しているかのような感覚を与える必要がある。
 
 
 
 
そこからいえば、軌跡の世界観は世界観は空、零碧で積み重ねられた背景に閃もしっかり乗っている。零碧からその後のクロスベルの様子、ハーメルの詳細、黒の工房、結社の動き。ここら辺の展開にはすごく興奮した。シリーズを通して世界観はすでに確立されているため、あとはその舞台でどうキャラクターを動かして、世界観を明らかにしていくかが重要になっている。
 
 
 
そこでキャラクターのストーリーに入っていくのだけど、残念ながら7組としての物語はあまり面白くない。少々閃I、閃IIの話になるが、前作、前々作では数が多すぎるためキャラクターの背景が描ききれず、上っ面の表面上の友情や絆といった感じがしていた。
 
 
 
 
空のエステルとヨシュア、アガットとティータなどのように詳細に過去を描き、その上で繋がりが生まれるといった要素はあまり感じられなかった。それぞれが単独でしか生きていない。ヨシュアやレンに影響を与える人間はエステルでないといけないし、エステルに影響を与える人間はシェラザードやカシウスでなければいけなかった。
 
 
 
 
だけどリィンは確かに学園で成長したかもしれない。だけどその仲間はアリサやエマやラウラやフィーやガイウスである必要はない。クロウだけ存在していればいい。他にも例をあげれば、マキアスの喧嘩相手は貴族であればよくて、ユーシスである理由がない。ミリアムでは「7組のみんな」であることが重要であって、別にリィンやユーシスである必要はない。
 
 
 
 
 
そんな感じでキャラクター同士の関係性の薄さが際立っていた。加えてその関係の薄さを絆とか友情とかという使い古された言葉を押し出して、ありもしない関係を全面にアピールしている様子が少々違和感を覚えた。加えていなくてもストーリー上なんとかなるキャラも存在している。エリオットとか無理に出す必要ないよね。他の人でもなんとかなるようなキャラをわざわざ出す必要はない。そんなメインキャラクターの同士の薄っぺらさが閃I、閃IIのキャラクターの話が好きになれない理由だった。
 
 
 
 
 
そんなキャラクターたちが満を辞して閃Ⅲに登場してピンチを救ったり、いきなり猟兵や執行者や使徒と対等に渡り歩いたりしても疑問しかない。かっこいいシーンなのは伝わるが、そんなの見せつけられても困る。背景の薄いキャラクターたちが活躍している様子はポカーンとするだけでなんの感動もない。
 
 
 
 
 
僕にとって7組は、クロウとリィンの関係性以外はあまり意味あるものではなかった。むしろ今作でいえばイリーナ会長とシャロンの関係とか、オズボーン宰相と鉄血の子供達の繋がりとかの方がよっぽどストーリー的には魅力的だった。上記の表現を繰り返せば、シャロンにとってはイリーナ会長、鉄血の子供達にとっては宰相でなければならないということだ。

 

 
 
なので新キャラもどうせ薄っぺらい関係なのだろうなぁと思ってさほど期待はしていませんでした。そしたら閃の軌跡Ⅲでは若干の違和感は残りつつも、前作のような気持ち悪さは少し改善されていました。Ⅶ組としての繋がりの薄さもリィンが教官という立場に立つことによって違和感が薄れていた。
 
 
 
 
けれどもクルトやユウナの成長に関してはリィンは励ました以上のことは何もしていないので、特に感動したということはなかった。アッシュやミュゼは謎を振りまいて「こいつ、一体なんなんだ…」という期待感はものすごくあった。でも2人はすでに達観していたので、成長の要素すら感じなかった。
 
 
 
 
そんな感じで新7組に関しては、旧7組ほど薄っぺらくはないけれども空や零に比べるとそれほどの感動はなかった。あくまで「ふーん」といった程度だった。
 
 
 
 
 

 詳細な設定があるモブキャラ達

シリーズ恒例行事。これに関しては敬意を評したい。モブキャラにも満たない人たちのストーリーを管理するのは想像も超える努力をしているのだろう。だからこそ、メインキャラも絆イベントとかやってないでこれくらい頑張ってストーリーを詰めて欲しい。空のときには世界観を広げる大切な要素だった。だけど、メインキャラがおろそかになっている閃の軌跡では、力を入れるところを間違えている。モブキャラの成長はメインキャラをしっかり描いた後にやるべきことではないのか。
 
 
 
 
 

悪かったところ

最後に、プレイして気になった部分をあげていきます。

 

 

僕にとっては、ここが最も言いたかったところ。

 

 

 

1. テンプレ展開が多すぎ

 
1~3章までは
学校での活動 → 演習開始 → その土地を回る → なんか強敵が現れる →  土地を回る → ボスを倒す
 
 
 
旧Ⅶ組の登場シーンでは
新7組演習開始 → なんかピンチになったぞ! → くっ! ここであの力を使うしかないか… → そこまでよ!
 
 
 
 
終章では
敵登場 → バトル! → ここは俺に任せて先に行け! 
 
 
 
 
の繰り返し。Ⅶ組の登場に関しては3章では「あぁ… ここで誰か来るんだろうなぁ… 」と呆れかえっていました。そのあとの薄っぺらい再会のシーンはバツボタン押して飛ばした。
 
 
 
 
テンプレの展開を繰り返しすぎというのは、今回からではなく前作でも指摘されていたこと。それを今回も繰り返すというのは、シナリオが下手なのか、そもそも僕のようなフィクションの目が肥えている人はもはやターゲットに入っていないということだろうか。テンプレとお約束は全く別。かっこいいシーンも多様すれば陳腐な表現になるので、少しは工夫して欲しいです。
 
 
 
 
 
 

2. 戦闘システム(オーダー・ブレイク)について

今作はいかに相手をブレイクさせるかがカギになる。高揚状態になった相手は手がつけられない…… なので、とにかくブレイクさせる→相手にターンが回ってこないうちに殴りまくる。という戦法になる。というかこれだけが戦闘のコツなので、ボスも含めた大抵の敵に楽勝で勝っていた。後半はボスですらノーダメージ。ラスボスすら1体もやられずにボコ殴りにして終わってしまった。
 
 
 
 
加えて本作では空のレーヴェや碧のアリアンロードに値する敵が存在しない。むしろ今作ではアリアンロードが普通の敵に成り下がっている。なぜ100年以上生きている使徒の一人と最強の執行者の2人を相手に、1年修行しただけ(しかも武術の修行はごく一部の人しかしてない)旧Ⅶ組の方々が匹敵しているのかが疑問。特務支援課は聖杯騎士を含む6人で、アリアンロード1人に立ち向かってほとんど歯が立たなかったことは忘れさられてしまったのだろうか。さすがどんなシーンでもカッコつけてしまう中二病の旧Ⅶ組がここでも発揮されてしまった。
 
 
 
 
ちなみにリィン+カグツチ+ゴーズ+CPup装備+神気合一+裏疾風+とにかくSTRをあげる、で雑魚は1ターンキル。CPも相手が4体以上なら一気に200まで回復するので次の戦闘も安心。これでボスもすぐブレイクするのでこれで問題なかった。
 
 
 
 
 

3. キャラクターのセリフや文章が拙い・同じセリフを繰り返す

おそらくキャラクターがテンプレの集合体だから、会話にも同じような展開しか出てこないのだろう。この部分に関してはAmazonのレビューに言いたいことがあったので、引用します。
 
 
 
閃の軌跡シリーズになって特に質が下がったと感じます。
 

過去作からさんざん指摘されていることですが、ライターの癖なのか同じような言い回しが多くイライラしました。
 
 

具体的には「~するとしよう」「…あ……」「ふふっ」「はは、」「〜というか」など。
時々ならいいのですが、これらが頻繁に入る。キャラごとの使い分けもほぼありません。
例えば三章冒頭のミュゼとの会話、五分に満たないイベントシーンですが、その間にミュゼは7回「ふふっ」と言いました。これでも特別に多いケースではありません。
 
 

他にも、「〜なそう」「〜なさそう」の混同や多重敬語(「お見えになっていらっしゃる」など、日本語として間違った用法)、不自然な言い回し(感謝する等、本来相手の許可が不要な行為に「させてもらう」を付けるなど)が散見され、ライターにはプロとしてもっと言葉を勉強し、一字一句に気を遣ってほしいです。ら抜き言葉ぐらいならまだ許容範囲内ですが、全体的に綺麗な日本語ではないので読んでいて常に引っかかります。今作ではついに「とりま」まで登場しました。やめてくれ。他のゲームではここまで気になったことはないので、もっと教養を積まれることを期待します。テキスト量が膨大で社内チェックも杜撰なのでしょうか。
 
 
 
閃の軌跡ではテキストのレベルが一気に落ちています。読んでいて、既視感があるセリフや、同じ言葉を何度も繰り返している描写が目立っていました。プレイ中何度も読むのが苦痛になる部分が何度もありました。
 
 
 
何人ものキャラクターが「雛鳥」と言っていたのはさすがに飽きました。あの世界では若者のことを雛鳥と呼ぶことが流行ってるんですか。僕も上手とは言えませんが、さすがにもう少し文章を練習して欲しいです。モブキャラの会話に力を注ぐ前に本編の文章に力を入れましょう。
 
 
 
 
 

4. ストーリーに絡まないメインキャラクターが登場する

閃の軌跡」IIIである以上、旧Ⅶ組を出したい気持ちはわかる。だけど、なんの役割もないのにキャラを出されても戸惑うだけで何もない。エリオット(この子が一番いらない)とかラウラとかマキアスとか必要だっただろうか。
 
 
 
次回作で実はラスボスだったとかいうなら謝ります。だけどⅦ組という理由だけで参加するのは邪魔でしかなかった。集団行動で特にやることがないけど、みんながそうしているからとりあえず付いて来る人のように思えた。Ⅶ組が薄っぺらい理由はキャラが多すぎたことにもあると思う。
 
 
 
 

5. 声優が複数キャラクターを演じすぎ
6. CV~~ とかいらない

 
CVに関しては軌跡の世界観をぶち壊すのでやめて欲しかった。軌跡のファンには声優目当てで購入する人が多いのだろうか。それならばしょうがない。だけど言わせて欲しい。少なくとも僕にとっては世界観に入り浸る阻害になっているので、「軌跡の物語」の一人のファンとしてはやめてほしかった。
 
 
 
また声優が複数キャラクターを演じることにも疑問を覚えた。ティオにローゼリア、アンゼリカ先輩にセドリック、ゼノ?と匣の人、ミュゼとクレア少佐、それ以外にもかなりの数がいた。こんなに声優を被らせる作品は見たことがない。モブキャラならまだしも、メインキャラの声優を被らせるのは若干戸惑った。別の作品で出すのはまだわかるが同じゲームにこれだけ声優を使いまわすと、別のキャラの印象が被る。シナリオに没頭することの邪魔になっていた。
 
 
 
 
 
 

7. 旧Ⅶ組が色々と問題がありすぎる

前述の通り。1~3章の登場シーンやいきなり軍の任務に参加するところ、最終章で最強の敵となぜか渡り合ってしまっているシーンがある。これらでは違和感を通り越してもはや気持ち悪かった。旧Ⅶ組に関しては異世界ラノベのごとく、都合のいい展開を成長と呼び、よくわからない進化を遂げた姿で活躍している様子はもはやポカーンとしてバツボタン(スキップ)ではなくL1ボタン(超高速スキップ)で飛ばすしかなかった。
 
 
 
けれどこれは閃の軌跡Ⅲから始まったことではないため、閃の軌跡Ⅳでも同様の展開が起こることが予想できる。この部分は「しょうがないな」と無理矢理にでも許容するしかない。キャラクターの薄っぺらさは次回の軌跡で修正されると信じましょう。
 
 
 
 
 

8. ユウナが特務支援課の知り合いだということ

ユウナが特務課と知り合いというのは若干違和感があった。クルトがヴァンダールの人の弟というのは別にいい。サブキャラの幅が広がっただけだから。けれどメインキャラであった特務課にさらに知り合いがいました!というのは後付け感がものすごくした。
 
 
 
 
そこまでの知り合いなら前作に影も形も出てこないのは少し違和感がある。ただの特務課に憧れを抱いている女の子じゃダメだったのだろうか。いきなり実は特務課全員とかなりの知り合いになっています!というのは少し受け入れずらかった。クロスベルの現状を描くものとして必要なキャラクターだということはわかっている。だけどわざわざ特務課との接点を作る必要はない。
 
 
 
 
 

9. アッシュがハーメルの生き残りだったこと

アッシュがハーメルの生き残りというのも後付け感があった。ハーメルの生き残りという話は空で一回使っているので、それを焼き直すのは盛り上がりに欠けるのではないか。アッシュが生き残りだということでは、ヨシュアが生き残った意味が軽くなってしまう。
 
 
 
 
 
 

10. 異名がついている人が多すぎる

もはやこの世界には一般人はいないのだろうか。クルトの母親みたいにモブキャラみたいな人にも異名が付いていたのは、違和感を通り越して
「ちょっwwwwwwwwおwwまwwwえwwもwwwwかよwwwwwww」
という状態だった。
 
 
 
 

11. キャラクターの動作が不自然すぎる

前述の通り、3Dキャラクターは前作に比べて綺麗になっている。ただし、キャラクターの動きに関しては前作同様に技術力不足が目立っていた。特にストーリー中の殺陣シーンが残念。前作と比べればやや良くなっているけど、相変わらず演出が稚拙としか言えない。スローモーションの多様で迫力が薄れてしまう。FFやテイルズと比べてしまうと、やはり棒立ち感が否めない。演出の稚拙さも相まって、ストーリーのつまらなさがさらに目立ってしまっている。
 
 
 
碧までの演出の方がよっぽど迫力があった。ゲーム業界の流れや技術の向上を考慮すれば3D化は必然のように思える。だけれどもFalcomにとっては3D演出はまだまだ時期尚早だったのではないでしょうか。
 
 
 
 
 

12. 戦闘シーンのHPやCPが小さくて見にくい

僕の目が悪いのもあるとは思いますが、それでも見にくかったです。
 
 
 
 
 
 

総評

旧7組の友情やかっこいい(笑)な演出を除けば、閃の軌跡としてのストーリーがまとまりだして、かつ零碧や空の伏線も少しずつ回収してくるストーリーはとてもよかった。キャラクターも旧7組以外は魅力的で、特にランディやティータを始めとする零碧や空のキャラの再登場は色々感慨深かった。ゲーム性もおおよそは快適でマラソンも戦闘も気持ちよくプレイができた。ラストはぶつ切りエンドなので、早めの次回作を期待したい。
 
 
 
 
 

最後に

そんな感じでした。感想はこんな感じにしておきます。長文におつきあいいただき、ありがとうございました。前回の記事も合わせて2回読んでくれた人は本当にありがとうございました。
 
 
 
 
空零碧と感動してきたファンの一人としては閃の軌跡の劣化には正直なところがっかりです。だけど空で覚えた軌跡シリーズの感動とその先の物語を見たいという気持ちが閃の軌跡をプレイする原動力でした。
 
 
 
閃の軌跡はキャラクターの物語としてはかなりレベルが低い。だけど軌跡の物語を見届けるためにこれからも買い続けるでしょう。軌跡の物語はラノベのようなハーレム展開やオレツエー描写や薄っぺらい人間関係やテンプレ描写は、少なくとも閃の軌跡以前のタイトルをクリアしたプレイヤーは求めてないだろう。
 
 
 
 
固定ファンを満足させつつ、新規層を獲得していくのは難しいことだと思います。型にはめた学園描写やあからさまな登場シーンは単純だけど分かりやすい。異世界チートが流行する今の世の中から考えれば、確かにウケそう。だけど今まで軌跡をやってきた層からすれば陳腐の一言。このままでは今まで軌跡を支えてきたファンが一気にいなくなってしまう気がしました。閃の軌跡に入ってからはターゲットとなる層が変わってしまったのだろうか。それらも含めて今後も軌跡を見守り続けていきたいです。
 
 
 
それではー
 
 
 
 
※2017/11/11(土)追記

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Amazonのレビュー(2017/11/11参照)をみてみると面白い。

 

 

一番多いのが星1。同じくらい多いのが星5。でも今回のゲームは星5をつけるほど傑作ではないけど、星1をつけるほどクソゲーではないよね。

 
 
英雄伝説 閃の軌跡III

英雄伝説 閃の軌跡III