物語の思考法

~2次元と3次元をつなぎたい~

NieR: Automata(ニーアオートマタ) (2017) 感想 「全ての存在は滅びるようにデザインされている。だが……」

ニーア オートマタ - PS4

評価:★★★★★(星5)

 

 
ニーアシリーズの最新作。僕はニーアシリーズはやったことがなかったけど、あるエンディングを見るためにセーブデータを削除する必要があるゲームとして名前だけ知っていた。
 
 
2018年1月に購入。1週間くらいでEエンドまで行ったけど、ストーリーを理解しきれなかったのでもう一回Eエンドまでやった。
 
 
僕のようなアニメやゲームを見る目に肥えた人にはかなり味わい甲斐のある作品でした。
 
 

 

 
 

ストーリーについて

ゲームのストーリーはRPGということもあり、本当にその世界にいるかのような感覚になれた。ニーアをプレイしたことはなかったけど、操作に戸惑うことは少なかった。サブイベントも本編の世界観を深めるようなものばかりでとても楽しかった。むしろサブイベントやらないとゲームの世界観がわかりにくいはず。
 
 
 
序盤は2Bと9Sで緩やかに廃墟都市などを探検しつつ、サブクエストでアンドロイド達の現状やアンドロイド達の人間への価値観などを知ることができた。そう思ったら、いきなり機械から人間が出てくるし、かなり序盤でエイリアンが絶滅していると明かされちゃうし、話の展開がかなり衝撃的なものが多くてどんどんニーアの世界に飲み込まれていった。
 
 
 
クリアは意外と早くて20時間も経たないうちにエンディングが流れるものだから、「もう終わりかよ!!なんも分からねぇ・・・」と思った。だけどスクウェアエニックスのお知らせで周回制だと知る。正直に言えば、同じもの2回もやるのかよ!と思った。だけどそもそもストーリーの前提条件(エイリアンとか機械生命体とかアンドロイドとかの関係など)が複雑だし、サブクエストも見落としが多かったので意外と楽しめた。でも9Sのハッキングはシューティングゲームなので、2Bと比べると敵を無双する爽快感は薄れちゃったかな。だけど最後のBエンドの予告は映画のPVみたいですごくかっこよかった。
 
 
 
2週目(Bエンド)が終了して3週目でようやく物語が進む。お預けを食らっていた分だけ期待感も大きく、とてもドキドキした。まさか2Bが退場するとは思ってなかった。そこからA2と9Sを操作することになる。A2はだんだん機械生命体に対する見方が優しくなる一方で、9Sは憎悪を膨らませて精神が壊れていく。そりゃ孤独を救ってくれた2Bが殺されるのを見れば、ああなってもしょうがないのかな。
 
 
 
 
作品全体としては、2点印象に残ったことがあった。
 
 
 
1つはアンドロイドや機械生命体を通して人間という存在を改めて疑問を呈するようなシーンが多かったこと。
 
 
 
機械生命体もアンドロイドも人間を模倣した存在であり、作品中では終始、人間の行いを皮肉るシーンがたくさんあった。機械生命体の増殖した時がデータ同士が争ったり、人間の心を「タカラモノ」と呼んだり、エイリアンに作られた機械生命体が知識を獲得するまでの過程を描いたりしていた。
 
 
 
 
2つめは何より2Bのオープニングのセリフの回収がとてもきれいだったこと。
作品全体のテーマもおそらくオープニングとEエンドが言いたいことの全てを表しているのでしょうね。
 
 
 
OP
全ての存在は滅びるようにデザインされている。
生と死を繰り返す螺旋に、私たちは囚われ続けている。
これは呪いか、それとも罰か。
不可解なパズルを渡した神に
いつか、私たちは弓をひくのだろうか?

 

 
 
 
Eエンド
全ての存在は滅びるようにデザインされている。
生と死を繰り返す螺旋に、『彼ら』は囚われ続けている。
だが……その輪廻の中で生きるということが、生きるということなのだ。
『私達』はそう思う。

 

 
 
 
ニーアオートマタはヨルハ部隊という存在が滅びるまでの物語。
2B,9S,A2という存在を近くでずっと見てきた機械に過ぎないポッドが、機械という合理性の中で生きている存在が、OPで2Bが抱いていた「人生とは?」というような抽象的な問題に対する回答が上記(Eエンド)のような結論に至ったということがかなりアツい。
 
 
 
加えて
生きるという事は、恥にまみれるという事だ。
 
(そのままの記憶を復元して、同じ未来を招くのではないか?という疑問に対して)
未来は与えられるモノではなく、獲得するモノだから。

 

 
2Bが死んだ後に9Sは2Bを解釈したA2を理由も聞かずに殺しにかかるなど、かなり「恥にまみれる」ような生き方をしているけど、それも肯定するポッドの名言は深い。
 
 
この後の2B達はどうなるか分からない。正確に言えばアンドロイドではなく、かと言って完全に機械生命体でもない。加えて完全に滅ぼされたはずのヨルハ部隊の生き残りである2人(とA2)がどのような未来があるのか。ぜひとも生と死の間での彼らの生き方に期待したい。
 
僕も明日から元気に生きられそうです。
 
 
 
 
 
 
 

ストーリーで分からなかった部分について

ストーリーの補足として、本編に関しては下の2つが物語のまとめとして参考になった。ストーリーはすごく衝撃的な展開が多いし、ものすごく深いのだけど、ちょっと1回ですぐにわかる内容ではないのかなーと思った。
(リンク先の記事内にニーアレプリカントのネタバレあり)
 
 
 
ヨルハ計画とは


 
ニーアオートマタまでのストーリーの流れ

 
 
2回プレイしても、地上にいるレジスタンスが何に対するレジスタンスなのかがよく分からなかったし、アンドロイドとヨルハ部隊の違いもよく理解できなかった。おそらく後者に関しては、デボル・ポポルも他の地域から逃げ出した、のようなエピソードがあったけどそもそもアンドロイド達が住んでいる都市が登場しないから、アンドロイドとヨルハ部隊の区別が明確にならなかったのかもしれない。
 
 
 
とりあえず、まとめを読んでやっと繋がった物語で散りばめられていた点が理解できた。できれば本編でもっとスッキリ理解したかった。
 
 
 
それでもニーアオートマタだけでも解決されてない問題もあって僕が気になったのは
 
 
 
・その後のアンドロイド達は一体どうなるのか。
人類が生存しているというプロパガンダは成功したとしても、その後地上に残ったアンドロイド達は何をするのか。
考えられることとしては人類を復活させるということくらいだけど。どうなんでしょうね。
 
 
 
 
・そもそもヨルハ部隊を作ったアンドロイドは一体誰?
これが最大の謎。誰がヨルハ部隊を創設して、誰がアンドロイドたちを統括しているのか。ボス的な存在が一切ゲーム中で明かされていない。続編があるのかな。これだけ売れていれば次はありそうな気はするけどね。
 
 
 
 
それにしても世界観的には前作の続きなので、こりゃレプリカントもやらなきゃニーアオートマタを100%味わうことはできないかな。
 
 
 

アルティメットヒッツ ニーア レプリカント - PS3

 
 
 
 
 

アクションが下手でもかなり立ち回れる

1回目はnomalでやったのですが、ちょうどいいくらいの難易度でした。基本的に回避を使って避けまくり、隙をついて剣で攻撃をする。HPが少ないときは遠距離からポッドで狙い撃ち、みたいな感じでした。レベル差がある時には回避を無視して突っ込んでもダメージはないので、そのときは無双することになるので、それはそれで楽しかった。
 
 
 
調子に乗って2回目をHardでやったら最初の工場から先に進めませんでした。シューティングで撃ち落とされ、イクラが避けきれず、機械生命体の不意打ちであっけなくゲームオーバー。すぐに難易度をノーマルに変更した。ロックオン機能がなくなるのは、慣れてくればほとんど問題ない…… だけど、増加したダメージ量がかなり辛い。まぁそれがHardってことなんでしょうけど、僕には無理だった。
 
 
 
シューティングゲームのときはほぼ一撃だったので、hardでも十分な難易度を誇っていました。1レベルじゃ無理だったので、99レベルにしてchapter1からやったら、今度はダメージがゼロになってヌルゲーになってしまった。very hardなんてもはやただの鬼畜ゲーでしかない。逆にeasyは歩いているだけで敵を殲滅してくれるので、ストーリーだけみたい時にはものすごく便利でした。
 
 
 
今度やるときはちゃんと1レベルからhardでやってみたい。
 
 
 
 
 
 
 

BGMが美しい

ゲーム中に流れる音楽が全てと言ってもいいくらい美しい。
Weight of the Worldはもちろんのこと、造語?のような歌詞がついたBGMが多かったので、どれもかなり耳に残っていた。もちろんサウンドトラックは3000円くらいだったのですぐに購入。
 
 
 
曲の中ではやっぱりWeight of the World/壊レタ世界の歌がとてもいい。1週目で英語の歌詞が流れて、2週目で日本語で流れる。ようやく何言っているか理解する。Cエンドでフランス語?が流れ、Eエンドの8bitからの入り、そして日本語と英語が交互に流れる演出はシーンの状況と相まってとても感動的。シーンに応じていろんな差分を楽しめた。歌手は物語シリーズのEDで有名な河野マリナさん。妙に聞き覚えがあったので、より印象に残った。
 
 
 
あとはイニシエノウタが好きですね。デボルポポルのことは前作をやっていないのでよくわからなかったけど、2人の意思はあのシーンでものすごく伝わってきた。なんだかよく分からないけど、感動してしまった。「お前は後悔するなよ」、かっこよかった。ニーアレプリカントが非常にやりたくなっちゃったので、ニーアオートマタの評価を受けてニーアレプリカントPS4でリメイクされないかなぁとめちゃくちゃ期待している(2回目)。
 
 
 
インパクトが強いものとしては、エミールの歌かな。他とのテンションの差が大きいので、かなり拍子抜けした。というかエミールの中の人はfateイリヤの人なんですね。イリヤの声しか聞いたことなかったからちょっとびっくり。イリヤと言われれば確かに似ている。
 
 
 
作業用のBGMとしても最高なので、物語を2回以上やった人はCDを買っても損はしないはず。
 
 
 

NieR:Automata Original Soundtrack

 
 
 
 
 

最後に

僕のようなアニメやゲームを見る目に肥えた人にはかなり味わい甲斐のある内容でした。
 
 
爽快なアクション、濃厚な世界観、衝撃的なストーリー、物語好きの僕としてはとても心にクリティカルヒットした作品になった。
 
 
 
明日も恥にまみれて生き続けようと思います。
 
 
 
 
逆に普段から設定などが凝った作品を見ない人にとっては少々辛いかもしれない。実際に僕の友達はストーリーがなんだか分からずに最初のレジスタンスキャンプで止まってアダムとイヴに会えていません。
 
 
 
Eエンドニ関しては、1回目はデータを消さなかったけど、2回目は削除した。もちろんトロフィーやサブクエストなどストーリーに関わるものは全て味わってから削除しました。だけどこの感想書いている時に、またやりたくなったので消したことは少し後悔している。まぁ多分もう一回やるから大丈夫だろうけど。
 
 
 
 
最後に一言
 

ニーアレプリカントやりたいけどPS3はメンドくさいのでPS4リメイクしてくれ!!(3回目)

 
 

 

ニーア オートマタ - PS4

ニーア オートマタ - PS4