物語の思考法

~2次元と3次元をつなぎたい~

DEATH STRANDING (2019) 感想 「お使いゲームを1本の作品に昇華させ、かつ奥深いSFストーリーが展開される他に類を見ないゲーム」

【PS4】DEATH STRANDING

評価: ★★★★★ (4.5 ~ 5)

 

「荷物を運ぶゲーム」という少々独特のゲームスタイルに加えて、非常に奥深いストーリーが展開されるSF作品。

 

「荷物を運ぶゲーム」とはどういうものかが気になって購入に至る。結果的に、僕自身は非常に楽しめた。クリア時点で100時間を超えていたのでかなりやり込めた。

 

簡単にまとめると、荷物を運ぶという普通なら作業と捉えられてもおかしくない要素をゲームにまで昇格させた他に類を見ないゲーム。ゲームだけではなく、ストーリーもかなりよく練り込まれたSF作品なので、ストーリー重視の人にはおすすめしたい作品。

とはいえ、世界観は複雑でゲーム性は好き嫌いが分かれそうだなーといったゲームでした。

 

詳しくは以下の3つの単元に分けて書いていきます。

  1. 「荷物を運ぶ」というゲーム性
  2. ボス戦の衝撃
  3. 非常に練り込まれた奥深いSFストーリー


以下、ネタバレありの感想

 


1.  「荷物を運ぶ」というゲーム性

デスストランディング、と言えば間違いなくこの「荷物を運ぶ」というのが中心になる。このゲームを買ったことない人でも、これだけは知っている人が多い。これについては実際にプレイして、半分正解で半分間違いといった感じだった。

 

荷物を運ぶ部分のゲーム性については他のゲームでいうお使いイベント(=特定の場所にアイテムを届けるイベント)に当たるけど、これは作業と捉えられることが多い。デスストランディングではこのお使いゲームを突き詰めたゲームになっていた。


僕は地味な作業が好きなので、どうやって荷物を運ぼうかとか、どのルートでいったら楽かとか、建設物をどこに置いたらベストだとか、考えるのは楽しかった。だけど、元を正せば荷物を運ぶだけなので、合わない人はやっぱり苦手だろう。僕の友人も1回やったら満足してました。


トロフィーに「プラチナ配送でLegend以上を10個とる」というものがあって、それを見たら超レアで取得率3.5%(2019年1月4日時点)だった。プラチナ配送でもLegendをとるのは全く難しくないのだけど、それでもやってないというのはやはり配送がめんどくさいという人は多いのではないか。

 

2. ボス戦の衝撃

また荷物を運ぶのとボス戦は全く別のゲームになるので、そのギャップはとてもびっくりしたけど、それはそれで面白かった。ボス戦やミュールとの戦いはもはやモンスターハンターであり、PUBGであり、格闘ゲームだった。

 

まず第一の衝撃がポートノットシティでのボス戦。荷物を運ぶゲームが、いきなりモンスターハンターになる。チュートリアルが丁寧なので苦労はしないけど、あそこで驚かない人はいないはず。

 

第二の衝撃がBTに捉えられた時。荷物を運ぶゲームが、いきなりモンスターハンターになる(2回目)。捕まった時は「終わった・・・」と思った直後にいきなり、地面が黒くなり、いきなりボス戦が始まる。


僕は初めてBTに捕まったのはミドルノットシティ跡地だったので、ボスの倒し方はポートノットシティだったので教わった通りだったので倒し方はわかっていたけど、
ポートノット以前で捕まってしまった人の感想がとても聞きたい。

 

第三の衝撃が第一次世界大戦での銃撃戦。荷物を運ぶゲームがPUBGに変わる。世界観も慣れた頃で、BTにも馴染んできた時だったので、これはサムじゃなくてもびっくり。その後も塹壕戦 → 市街地戦 → ゲリラ戦と若干戦い方も変わってくるので、常に緊張感を持って挑めた。

 

そして第四の衝撃がヒッグスとの戦い。荷物を運ぶゲームが格ゲーに変わる。
ゲージが出た時には流石に吹き出した。

 

「荷物を運ぶ」ゲームということだけで驚きなのに、さらにボス戦でゲーム性がゲーム性が変わるのは二重の驚きがありとても楽しめた。


それにしてもサムは荷物を運ぶことに加えて、交通網を整備し、国のために通信を繋いで、さらにモンスターと戦い、テロリストを制圧するので、重労働すぎてサムの負担が半端ない。


3. 非常に練り込まれた奥深いSFストーリー

ストーリーはまずすんなり理解できる内容ではなかった。難解な用語が多数出現し、加えてムービーなどは一度見たら見直せない(見直せたらごめんなさい)ため一度理解しそこなえば、ググるしかなくなる。そもそもムービー自体もかなり長いため、少々疲れて来ることもあった。最初と最後に説明が丁寧ではあるけどめっちゃ詰め込まれていた。

 

単純に言えば、公式が言っている通り。

  • デスストランディングによって分断されてしまった世界を、カイラル通信と呼ばれる技術を使って人々を繋いでいくこと
  • カイラル通信を繋いでいって西の果てについたらアメリを救出すること
  • 上記の2つが成し遂げられたらアメリカがUCA(アメリカ都市連合)として復活する。

最初に言われていた通りだと、だいたいこんな感じだったはず。

 

用語もそこそこ出てきたけど、完璧には理解しきれなかった。現時点での理解をまとめるためにも下にメモっておきます。

 

デスストランディング:

最初のボイドアウトが起こった日のこと? これ以降死後の世界と繋がってしまった世界になった? 通称DS


帰還者:

死んでも結び目を辿ってこの世に戻って来られる人。


DOOMS:

デスストランディング以降に現れた特殊な能力を持つ人。
(最初はフラジャイルやヒッグスのようにビーチを使って移動できる人なのかも思ったけど、サムやママーはできないので定義がよく理解できなかった)


ボイドアウト:

死んだ人とBTが接触するとおこる大爆発。物質と反物質接触することで起こるとかなんとか。


ビーチ:

死後の世界に通じる空間。個人ごとにビーチを持っている? のだっけ?


カイラル通信:

DS以降に見つかった技術。ママーとロックネが開発した? 情報を過去に送り込むことによって、ゼロ時間で情報を送ることができる。


絶滅体:

人類を絶滅に導く人。今回はアメリの事? 個人のビーチの上位存在となるビーチを持っていて、全てのビーチに干渉できる。


ラストストランディング:

絶滅体が反物質をそれぞれのビーチに送り込むことによってボイドアウトを起こす。そのためにアメリカをカイラル通信でつなぐ必要があった?


BB:

BTも感知できる。そのため装備としてポーターたちが身につけている。主目的はカイラル通信の基盤に作られた。

 

こんな感じのぼんやりとした認識でプレイしていた。僕はゲームクリアするまではググらない派なので、用語を曖昧なままにしておくのは少し気持ち悪かった。Tipsやドキュメントといった要素はあるのに、単純な用語集がないため、基本的な用語が捉えられずにいた。


とはいえエンディングまでよくわかっていない設定が多かったけど、ラストまでいったらなんとなくは理解できていたし、楽しめもした。

 

エッジノットシティまでは個人個人のストーリーやヒントがばらまかれて、エッジノットシティ以降に一気に話が進むといった感じだった。クリフやBBやヒッグスは個別には話は進んでいたけど、いまいちまとまりがなかった。絶滅体の話も少し流してしまったため、理解が曖昧になっている。


だけど、エッジノットシティ以降で一気に話をまとめにかかってきたので、それまでばらまかれていた伏線が一気に束ねられている感じがあってよかった。

 

もう一周したらスッキリすると思うので、もう一度プレイがしたい。そのためにストーリーを見直すために「強くてニューゲーム」をしてもう一周したいけど、どうやらセーブデータは1個だけのようなので、再プレイは難しそう。

 

もう少し詳しくストーリーに突っ込んで書いてみたいけど、設定の理解が曖昧なせいか、ぼんやりと「なんかよかったなぁ」という気分があるだけになってしまっている。まとまったら追記する予定。


そのためにもまずもう一周したいので、データを消さずに再プレイできる機能をぜひつけて欲しい。


まとめ

荷物をいかに効率よく素早く運ぶか、というのを考えるのが面白かったです。ストーリー自体もSF要素が散りばめられているので、中二病心を持つ自分にとってはその設定や繋がりや世界観を理解するのもとても楽しかった。


だけどゲーム性の特殊さやストーリーの複雑さはあるので誰にでもオススメできる、というわけではないのが多少のもどかしいところではある。ペルソナ5やニーアオートマタほどの評価は得られないとは思う。

 

デスストランディング自体はゲーム性が特殊すぎるので、他に似たようなゲームが出てくることはほとんどありえないはず。色々な体験ができて気がついたら100時間近くやり込んでいた。


こんなにやったゲームは久しぶりだったので、充実した正月休みが過ごせました。