物語の思考法

~2次元と3次元をつなぎたい~

進撃の巨人 24巻 (2017) 感想「23巻に引き続き、過去を語る24巻」

進撃の巨人(24) (講談社コミックス)

評価:★★★★☆(星4つ)
 
進撃の巨人の24巻。22巻で第一部が終了。23巻からは4年後の世界が描かれている。23巻に引き続きマーレ側(ライナー側)からの説明がされていた。
 
 
 
23巻は壁の外の世界の状況が描かれていた。実は壁の外の世界は今で言うところの19世紀くらいの世界で、マーレという国が巨人の力で世界の覇権をにぎってますよー。でも科学技術の向上でその立場も危ういですよー。巨人の力を受け継ぐために選抜試験的なのが行われてますよー。みたいな感じか。
 
 
 
今回はライナーの過去の続きから1巻に至るまでの話、そこからパラディ島に攻め込む準備をする様子が描かれていた。表紙がエレンたちだし、やっと話が進むのかなーと思っていた。だけどそんなこともなく、本格的に話が前に進むのは25巻からになりそう。
 
 

硫黄島からの手紙 Letters from Iwo Jima (2006) 感想 「父親たちの星条旗も合わせて見てみよう」

硫黄島からの手紙

評価:★★★★☆(星4つ)
 
第二次世界対戦の激戦地の一つである硫黄島の戦いを描いた映画。監督が日本人ではなく、アメリカ人のクリント・イーストウッド監督なことも特徴の一つ。監督が外国人にも関わらず、しっかり日本映画っぽさが出ていたのはとても驚いた。おそらく何も知らなければ、日本映画だと思っていたはず。
 
 
 
 
この作品では戦争の悲しさや虚しさ、恐ろしさはもちろん描かれている。だけど、戦争の悲劇を知りたいのならわざわざこの映画である必要はない。父親たちの星条旗」を合わせて見ることこそが、この作品の鑑賞の仕方となる。
 
 

父親たちの星条旗(字幕版)

 
 
同じ舞台を2つの方向から描いた映画は、この映画が初らしい。日本からの視点、アメリカからの視点から戦争を見ることによって両軍の兵士が何を思って戦っていたのか、それが理解できる。片方だけ見ても、よくある戦争映画で終わってしまう。是非とも2作品を見ることをお勧めしたい。
 

Fate/stay night Unlimited Blade Works (2014,2015) 感想 「傷つくのが運命だとしても」

Fate/stay night [Unlimited Blade Works] Blu-ray Disc Box ?【完全生産限定版】

評価:★★★★★(星5つ)
 
 
Fate/stay nightの3つの話のうちの2つ目、Unlimited Blade Worksをアニメ化したもの。圧倒的な作画の綺麗さによる戦闘シーンの破壊力ももちろんすごい。だけど一番の魅力は士郎の肉体的、精神的な成長だった。
 
 
 
 
聖杯戦争を通して「正義の味方になる」自分の理想を遂げるために、次々と成長を見せる士郎がかっこいい。個人的には最初はセイバーの足手まといでしかなかった士郎。だけどサーヴァントや魔術師との戦いを通して、自分の理想を叶えるために強くなっていく。そして「ある人」との対立によって、自分の信じた正義に疑問を持ってしまう。
 
 
 
 
 
最終的に苦難を乗り越えた後の士郎が戦う姿はただひたすらにかっこいい。士郎がという人間のあらゆる成長が網羅された、そしてufotableの最高級の作画を通してサーヴァントどうしの圧倒的な戦いを見ることができる最高のアニメだった。
 
 
 
 
 
以下ネタバレありの感想。
 
 

ガールズ&パンツァー (2012) 感想 「圧倒的な戦車の迫力と西住殿の戦略が何度見てもおもしろい」

ガールズ&パンツァー 1 (特装限定版) [Blu-ray]

評価:★★★★★(星5つ以上 傑作)

 

2012年に放送され、圧倒的な戦車シーンと数度に渡る総集編でオタク業界を騒がせた(らしい)傑作の女の子×戦車アニメ。

 


僕はリアルタイムで視聴はしてなかったのですが、2015年に映画化されるということで、その時期に一度視聴。映画を見て、その後に2度目を視聴。今回はPrimeビデオに追加されたということで3度目の視聴。

 

 

こう何度見てもおもしろい作品はなかなかない。戦車の戦闘の迫力、西住殿の成長、そして4DXの迫力。戦車という題材。美少女ものというジャンルで避けるのは非常に勿体無い作品となっている。

 

続きを読む

約束のネバーランド 5巻 (2017) 「GFハウス編終了・次の相手は鬼と未知の世界」

約束のネバーランド 5 (ジャンプコミックス)

評価:★★★★☆(星4.5つ)

 

これは本当に面白い。何十回も読める作品ではないけど、伏線の張り方が濃いので1回のインパクトが非常に大きい。ミステリー小説はあまり読まないけど、思考の果てに解決方法を見つける過程が納得できるし、そうだったのかと思える。

 

 

 

結局本当の意味での「全員脱出」じゃなかった。でもまあ当然かなぁ。子供だけで複数人の赤ちゃんを連れて、知らない世界に逃げるとか無謀もいいところ。GFハウスに残ったフィルくん、4歳なのにしっかりしています。幼稚園児でここまで賢いのは野原しんのすけをはじめとする春日部防衛隊くらい。

ちんだらけ

続きを読む

結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章- (2017) 感想「満開は完全な悪ではない」

結城友奈は勇者である-鷲尾須美の章-Blu-ray

評価:★★★★☆(星4つ)
 
2014年に1クール放送された「結城友奈は勇者である-結城友奈の章-」の続編。前作の2年前を描くお話。
 
 
なので、この作品から見ても問題ない。
 
 
 
そもそも雑誌連載は鷲尾須美の方が先なので、当然といえば当然。だけど結城友奈のお話の面白さや絶望感は「満開」というシステムの是非にある。なので、僕的には先に結城友奈の章を先に見るべき。こっちの方がより大きな絶望と衝撃が味わえる。
 
 

結城友奈は勇者である 1 [Blu-ray]

 
 
 
 
以下ネタバレを含む感想。結城友奈の章のネタバレもアリ。
 
 
 

1Q84 book1 <4月-6月> 前編 (2010) 感想 「ラノベの後に読むと表現と文章の落差がものすごい」

1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)

評価:★★★★☆(星4つ)
 
 
 
村上春樹の小説。有名どころのうちの1つ……な気がする一冊。おそらく紹介はいらないし、知りたい人は僕の文章にたどり着く前にいろんな記事があるはず。なので、今回は自由に書く。そもそも文章書くのも久しぶりで、色々考えるのが面倒だという理由もあるけどね。
 
 
 
 
そもそも僕は文学作品はあまり読まない。僕の前の記事や人気記事ランキングを見ればわかる通り、基本的にアニメ、ゲーム、漫画、ラノベとオタクなラインナップとなっている。なので、当然のように村上春樹も全く読んだことがなかった。そもそも文学ってなんだ? という疑問はあるけど、一番文学に近いもので村上龍の「5分後の世界」や伊藤計劃の「虐殺器官」「ハーモニー」くらい。