冴えない彼女の育てかた 2期 (2017) 感想 「自分の成長のために友情を捨てる覚悟はあるか」
評価:★★★★★(星5つ)
1期はコメディ要素が大きかったですが、2期はかなりシリアスな展開になってましたね。
ただのエロいアニメじゃなくてシナリオの秀逸さを叩きつけられました。成長の過程と挫折を突きつけてくるアニメですよ。前半のラブコメやキャラクターの交流が全て9~11話に収束してます。ここに至るために今までの過程が全てあったんだなって素直に思いました。1期はただのプロローグにすぎなかったですね。
自分の成長のためなら友情も捨てる覚悟があるのか
9~11話の展開が怒涛過ぎる。企画を立てて、それを完成させるためにエリリや先輩を焚き付けてきたのは倫也だけど、えりりも先輩もクリエイターとして本物なんですよね。だからこそ自分が成長するためには恋よりも仕事を選んだ。先輩たちも裏切りたくて裏切ったわけじゃない。エリリに関しては今の環境では強くなれないと確信していた。自分がもっと成長したいという気持ちが大きかった。自分の成長のために目の前の仲間を助けることを諦めた。
このままじゃ自分は成長できない、わかっていても動けない。けれども倫也を裏切りたくはない。エリリが叫ぶシーンは本当にやばい。
9~11話は本当にやりたいことがあるって素晴らしい。本当にそう思わせてくれる。好きだからこそ、もっと強くなりたいからこそ、目の前の仲間よりも自分の成長ができる場所を選ぶことができた。普通のラブコメだったら仕事を殴り捨てて主人公とゴールインしてる。
友情に妥協して今のまま生きていくのか、それとも友情を捨てても自分がやりたいことを突き進めるのか。そんなことが突きつけられるシーンだった。
倫也くんの方も、2人の次の仕事に関しては納得はしているけど、心の底から2人と離れたいとは思っていなかった。だから11話で泣いていたんじゃないかなー。加えてメインヒロインは加藤恵で確定しちゃいましたしね。
伊織も最初は最悪なやつかと思ってましたけど、いいライバルって感じですね。伊織と加藤のおかげで倫也くんもえりりと先輩の離脱を乗り越えられたんだと思います。仲間っていいですね。
ペトロニウスさんの感想。的確に的をついています。
上に立つものがやるべきこと
自分が何をしなくても人には限界を求められるようにならないとダメ。人に地獄を見させて自分はさっさと帰れないとダメ。負い目を感じてクリエイターを従わせられないとプロデューサーとして失格。
これを倫也くんができないせいでエリリと先輩が離脱するきっかけとなったわけですが、これはちょっとグッとどころじゃないくらい突き刺さりました。クリエイターとプロデューサーだけじゃなくて、人に何かをやらせるってこと全般に共通する。
その人が辛くても、必要ならばたとえ辛いことでも強いることができる人じゃないと上に立つことはできないんだと思います。
僕は塾の講師をやっているんですけど、どうしても絶対やれって強いることができなかったです。これは反省しないとダメですね。
死ねまでいかなくても必要ならば優しさも捨てる覚悟を持てってことですね。さすが多くのエロゲーを手がけた作者が言うだけあって説得力ありまくりです。
最後に
1期の感想でエロいエロいって書いていたのが恥ずかしくなってきた…
確かにヒロインたちの可愛さの描きかたも秀逸なんだけど、ゲーム作りを通してキャラクターが少しずつ成長していく、そして加藤のヒロイン力がちょっとずつレベルアップしていく。それがこの「さえかの」の魅力です。その大きな成長の部分がが2期の9~11話に集約されていました。
もうすぐ完結するみたいなので一気に原作買おうと思います。
それでは〜