スタンフォード式 最高の睡眠 (2017) 感想「おはようからおやすみまで・覚醒のススメ」
評価:★★★★★(星5つ)
睡眠研究のメッカ(らしい)であるスタンフォード大学で睡眠の研究を30年以上やっている日本人による一冊。睡眠の基礎知識とデータに基づく効率の良い眠り方が書いてあった。
睡眠にはいろんな俗説がある。90分サイクルで寝るといい、食事後は眠くなる、睡眠の前にスマホとかパソコンとかいじらない、ブルーライト、などなど。それらに対して科学的な根拠(もしくは間違っている理由)を示すとともに、睡眠研究から導き出された正しい眠り方が書いてあった。そして夜眠るだけじゃなくて、朝の眠気や日中のウトウトの解消方法までのっていた。
まさに「おはようからおやすみまで」サポートしてくれる本だった。
個人的な経験ではなく(もちろん多少は含まれている)、データに基づく結果を示しているのがポイント。筆者もちゃんとした現役の研究者なので、とても納得できる内容だった。そしてデータに基づいてただ結果を示して
「じゃあこうしてください」
というのではなかった。
「こうするべきなんだけど、みんなは無理だよね!だから最低限こうしてね!」
みたいなスタンスだったのがよかった。
例えば、
快適な生活を送るためには平均8.2時間の睡眠をとるといいよ!
ちなみに欧米は7.5時間とってるよ!
で終わらず、
けど忙しい人には無理だよね。その場合は最低6時間はとって欲しいけど、その上で眠り始めて90分が大事だからそれをやってね。それでも無理ならこの眠り始めの90分だけは本当に大切にしてね。そのための方法は……
みたいな感じだった。
つまり実用性があるってことだよ!
そんな感じで詳しい感想に入ります。
ポイントは3点
- 夜の眠り対策 --最初の90分が重要
- 朝の眠気対策
- 昼の眠気対策
夜の眠り対策
最初の90分をどれだけしっかり眠れるか。
それが鍵になっていた。人間が脳を休めるノンレム睡眠と体を休めるレム睡眠を繰り返すことはよく知られている。その中で最初のノンレム睡眠が一番深い睡眠になっている。だから最初の90分をしっかり眠れるかどうかが良い睡眠のポイントになっている。じゃあその最初の90分をしっかり寝るためは脳・体温・時間が重要になっている。
温度
体温は深部温度と皮膚温度があり、深部温度が皮膚温度より高い。その差が縮まることで眠くなる。つまり深部温度を下げて、皮膚温度をあげればいい。そう考えると、風呂に入ることは深部温度を上げることになるので一見すると逆に思えた。
けど風呂に入ることで皮膚から熱放散が起こって、深部温度が低くなる。そして熱を放出するために皮膚の表面に熱が来るので、皮膚温度が上がる。このことによって深部温度と皮膚温度の差が縮まって眠りやすくなる。ポイントとしては寝る90分までに15分ほど風呂に入っておき、ゆっくり温度を下げていくといいみたい。
脳
寝る前にあまり難しいことを考えすぎない。考えると脳が活性化して眠れなくなる。だからリラックスして寝ようってことみたい。
これって風呂に入った後にブログの記事を書くのはやめようってこととか。漫画読んでリラックスして寝たいです。次の日の朝に感想を書くのがいいのかも。これを聞くとキモいかもしれないけど、僕はいつも物語を頭の中で思い浮かべて寝てる。
時間
基本的に6時間以上で就寝時間と起床時間を一定にするのがいい。無理なら就寝時間だけでも合わせるべきだそうだ。
朝の眠気対策
夜の寝方はわかったところで、朝のなんだか眠い感じ、昼のウトウトしてしまう方法もしっかり書いてあった。僕としてはこっちは書いてあると思わなかったのでかなりお得感があった。確かに日中の眠気をなくす方法は、大人から子供まで結構重要だし。
10こくらい書いてあるけど、その中で僕が使えそう(使えた)ものだけ挙げておく。というか全部書いたら著作権的にアウトっぽいので全てが気になる人は買ってね。
1 朝日を浴びる
体内時計をセットするのに必要みたい。数分でいいので結構楽だね。朝日を浴びるためには体を起こす必要があるので、それも効果的かも。景色がいいとより最高。僕の家から見る風景は特に特別なものは何もないが。
2 アラームを二重にセットする。
これはかなり効果あった。個人的には結構おすすめ。ポイントはアラームのセットの仕方による。睡眠のサイクルは90分は迷信で、実際は個人差があり90分~120分の開きがあるみたい。
なので起きたい時間と起きたい時間の20分前の2つアラームをセットする。するとどこかでレム睡眠に当たるはずなので、すっきりと起きられるというものだった。
びっくりしたのが、この本を読む前からこれをやっていたことだった。まあ医学的に理由があってそうしてたわけではなく、ただの2度寝防止のためだったんだけど。
1回目はただのバイブにして1メートルくらい離れたところに置いた。2回目は何としても起きないといけないから、音楽をセットした。ちなみにAqoursの「未熟Dreamer」だ。最初のイントロがいいんですよ。けど歌が始まるとキャラの声が出るので若干恥ずかしくなる。周りに音漏れるとうるさいっていうのもある。
まあそんな感じで、歌が始まる前に起きなければならないという謎の義務感もセットでついてくる。
実際にバイブで起きることもあれば、未熟Dreamerで起きることもある。バイブは1メートル離れていても、気付く時にはちゃんと気付くので結構おすすめ。どちらにしてもかなり爽快でした。
3 顔を洗う
深部体温と皮膚温度の差を広げるためのようだ。差が縮まると眠くなるので、皮膚温度を下げて深部体温との差を広げようってことみたい。これも超簡単ですね。
4 朝ごはんを食べる
肥満防止・体内時計のリセット・噛むことで脳の活性化が起こるようだ。
5 カフェインを摂取する
よく知られたことですね。実際に効果あるみたいです。ただし寝る3時間前に飲むのはやめようとのことでした。
6 大事なことを朝にやる
朝に会議をやると言った感じだった。朝にやると脳が働いているのでいいみたい。大学生的には1時間目に授業を入れると言った感じ。それに行かないとまずいって状況は自然と体が動くから僕は結構やってます。
昼の眠気対策
まず昼メシを食べると眠くなるのは、根拠がない。まずこれに驚いた。脳の血流は常に確保されているから、あまり極端に重いものを食べない限り影響はないとのことだった。
1 カフェインを取る
さっきと同じ。コーヒー飲みながら作業したいですね。
2 眠い会議(授業)ではしゃべる
もうこの項目は日本人の会議のやり方を非難していた。日本の会議は時間が決まっていない。必要ない人もいる。発言しない。
欧米では会議で発言しない人はいないのと同じ、というのはよく聞く。会話をすると脳が覚醒するし、知識にもなるからまず発言しようねってことだった。
それに加えて思い出したのが、堀江さんは会議でもスマホを積極的にいじるということだった。つまらないものや関係ないものは無視して自分の時間を生きるためだそうだ。
実際にやるかどうかは状況次第だが、これも合わせれば、会議や授業を楽しく乗り切れると思う。
3 ガムを噛む
噛むと脳が活性化するから。
4 昼寝する
20分程度がいいようだ。逆にやりすぎは体に毒とのこと。
最後に
最初は、
スタンフォードとかMTIとか東大とかって書けばなんでも売れると思うなよ!
とか思ってた。読み終わった後に反省しました。調子乗ってごめんなさい。
今回書かなかったが、睡眠の基礎知識もなかなかためになった。成長ホルモンは睡眠時に出て、大人にも効果あるんだよとか。そんな感じで科学的な知識もついて、実際の生活にも活かせるところがこの本のいいところでした。
しっかり眠って、しっかり覚醒したいです。
それではー