多動力 (2017) 感想 「とにかく動け」
評価:★★★★☆(星4.5つ)
結論を言えば、なかなかよかった。
堀江さんの本はだいたい内容が共通している。加えてTwitterなどのネットの情報も合わせれば、以前聞いたような内容が半分以上を占めている。今回の「多動力」もそれの例外ではない。堀江さんの本は基本的に日頃言っている内容を1つのテーマを元に再構成しているものが多い。日頃考えていることを本にするって当たり前かもしれないが。
99%の会社いらない、は日本の会社についての批判が中心だし、
全ての教育は洗脳である、は日本の教育の批判が中心だし、
ゼロ、は堀江さんの考え方とその起源についての話が中心になっている。
読んでみればわかると思うが、言っていることの本質はどれも変わらない。好きなことをやって没頭しろ。そして行動しろ。他人の時間を生きるな。などなど、同じような話題も何回も登場する。
そのため日頃から堀江さんの情報に接している人にとっては真新しい情報はないはず。しかし、だからといってこの本がダメということではないです。人間は基本的に一回で物事が身につくことはないし、そこから考えれば、違う視点からでも似たようなものに接すれば以前触れた内容なので考えの復習になる。
なので、僕は今回の本は最新のホリエモンの本を通して、以前読んだ本の内容を思い出したり、この本で登場する新たな考え方を吸収しようと思って買った。何回も出てきているということは重要ってことですしね。以前読んだ内容を今の自分はできているのかを改めて確認するのに役に立った。
今回の本は「とにかく行動すること」の大切さが解かれている。以前の本にも散々行動するように促していたが、この観点でまとまった本は初めてなんじゃないでしょうか。堀江さんの本を全部読んだわけじゃないので断言できませんけど。というか月一で本を出しているようなので、そもそも全てを読んでいる人なんているのかな。
堀江さんは本に書いてある内容が机上の空論ではなく、実際に自分で行動して感じたことが本に載っている。そのため参考にしやすいです。
いくつか気になった部分を取り上げて感想書いてみます。
そもそも多動力ってなんなんだい!
「多動力」とは何か。それは、いくつもの異なることを同時にこなす力のことを言う。
いろんな物事を同時にこなす力のことを指すらしい。
なんで多動力って必要なの?という部分では
つまり、テレビなどの家電はもちろん、自動車も、家も、ありとあらゆる「モノ」がインターネットにつながるということだ。すべての産業が「水平分業型モデル」となり、結果”タテの壁”が溶けていく。(中略)この、あらゆる産業のタテの壁が溶けていく、かつてない時代にもとめられるのは、各業界を軽やかに超えて行く「越境者」だ。そして、「越境者」に最も必要な能力が、次から次に自分の好きなことをハシゴしまくる「多動力」なのだ。
つまり、インターネットの登場で1つのものだけ極めていればいい仕事というのは今後ますますなくなっていく。だから多くの分野で活躍する力をつける必要がある。その多くの分野で活躍する力をつけるためには、多くのことをこなす必要がある。その力こそ「多動力」ということらしい。
そして今の日本人にはその多動力がない。寿司屋の修行の例を挙げて、未だに1つのことを何年もかけてやることや、完璧主義を批判している。中途半端でいいからどんどんやれよ、それで好きなことを熱中しろよ、とのことだった。
今の日本人に根付いているこの精神を解いて、じゃあ多動力を身につけるためにはどうしたらいいの?という部分に入っていた。
最強メンタルの育てかた・他人の目線は気にするな
本では最後の方の7章に書いてあったが、僕的には「多動力」をつける前にこの章を読むべきですね。
どれほど仕事を学んでも、行動に移せない人がいる。それはなぜか。理由は簡単で、「他人はどう思うだろうか」という「感情」があなたにブレーキを踏ませているのだ。
あなたが多動になるための最大のハードルは「他人にどう見られるだろう?」という感情だ。はっきり言おう。誰もあなたには興味がない。好きなように生きて、思いっきり恥をかこう。
他の本でも堀江さんは行動することの大切さを解いている。
好きなことだけで生きていく。
そう、これまで僕は、著者はもちろん、あらゆるメディアを使って行動することの大切さを訴えかけてきた(それが自分が本当にやりたいことなら)。とにかく、うだうだ考えないですぐにやりなさいと。「言い訳」を並べ立てて口を動かしている暇があったら、一歩踏み出しなさいと。しかし、これは僕の感覚だが、それで自分を根本から変え行動に移した人は、1%にも満たないのではないだろうか。もし僕の著書を10万人が真剣によんでくれたとしたら1000人くらいか。いやそう考えると1000人もいない気がするが……。まあ、人数のことはいい。実際、極端に少ないのは確かだと思う。先のように一時的には、意識、気持ち、モチベーションを比較的多くの人が変えてくれる。でも、やらない、続かない、行動で示してくれない。ある人が僕の講演を聞きにきてくれる。自分の貴重な時間を割いて聞きにきてくれて、僕の話に共感してくれて、その場では表情を変え決意を新たにしてくれる。だが、少したつとまた僕の講演を聞きにきている。この間にその人自身何にも変わっていない。こんな人が多いのが本当に寂しい。
けど、行動するための明確な理由は示してなかった。まあ堀江さんからすれば、示さなくても自分で気づいて動けよ。って言われそうですけど。
とにかく動けない原因として他人の視線が気になることを、他人はそれほど自分を気にしてなんかいないことを挙げている。これは僕も全面的に同意している。
同窓会に出席した時のことを思い出してみよう。同窓会では誰もが「あのころ××なんてことがあったよな」と昔話に花を咲かせる。いじめっ子といじめられっ子が同窓会で再会すると、いじめた側はまったく覚えていないものだ。嫌な思い出に限らず、記憶なんて大半がゴソッと抜け落ちていて「そんなことあったっけ」と首を傾げたりする。自分のことですらちゃんと覚えてないのに、他人のことなんていちいち覚えていないに決まっている。人間の記憶や関心なんて、そんなものだ。僕はいままで散々世間を騒がせてきた。しかし、その度に思うことがある。「人間の記憶というものは都合よく塗り替えられる」もう少ししたら僕が逮捕されたということすらほとんどの人が忘れてしまっているだろう。人間なんて本当はそんなものだ。だったらくだらない羞恥心なんて捨てて、「あいつはバカだな」と後ろ指を指されようが、最初からバカをやってしまった方がいい。一歩踏み出したせいでみっともない失敗をしたとしても、そんなことは3日もたてば誰も覚えてはいない。恥を書く勇気、失敗する勇気さえ持てば、どんどん免疫ができてリスクを取ることを恐れなくなる。この勇気を持つことが何よりも重要なのだ。今、この瞬間から周りの目を気にするのをやめよう。君の頭の中が、他人の振る舞いや失敗のことでいっぱいにならないのと同じように、周りの人は君のことなんてまったく気にしていない。外野の雑音なんて気にせず、君は飄々と我が道を進めばいいのだ。「多動力」を身につけるには、どんな知識や仕事術を身につけるより、「感情」のフィルターを外すことが先決だ。
どんな自己啓発本を読んでも、どんなビジネス本を読んでも、実行しないと意味がない。じゃあどうやって実行するの?という部分は難しい人にとってはとても困難なこと。僕もそうだったので気持ちはすごいわかる。
確かに他人の視線は気になる。僕も以前は気になっていた。僕の経験では、他人の視線なんて気にしたってしょうがない。気にしていたらなのもできないし、結果的に他人の視線を気にして行動しなかったらめちゃくちゃつまらない結果しか残らない。服もどれ着ようか迷って結局出かけたくなくなるとか、意見出そうと思っても何言われるかが気になって何も発言できなかったりした。あ、僕の高校時代のことです。
それと、挑戦を重ねないといつまでも成長しないんですよね。自分で行動することをしないと、成功するための手段を自分の頭で考えることをしなくなる。
僕の初めての人生の挑戦が大学受験でしたけど、見事に失敗しましたもん。失敗した理由が、質問するのが恥ずかしくて先生に聞けなかったり、友達も少なかったから勉強方法とかも自己流になってしまった。行動するのが恥ずかしくて、結果的に情報不足と経験不足が重なったことが原因だと僕は思っている。
誰かがどう思うかより、自分がどうしたいかの方が大事。そこで止まっても何も変わらないどころか、より年齢を重ねて行動しにくくなってしまうよ!って思ってる。まあ僕は別に何かを成し遂げたわけじゃないけど、いままで行動しなかったことでいいことはなかったですよ。マジで。
僕の大好きな人生の教科書であるマブラヴシリーズの原作者に「その服恥ずかしくて着られない」ってニコ生でコメントを送った。そしたら堀江さんと同じことを言われた。「自分が着たい服を着ればいいじゃん。他人なんて気にすんな」って。
失敗したり、恥をかいたときは最強に死にたくなるけど、その時がどん底であとは回復して行くだけ。僕は友達と飲み会でもして憂さ晴らししてます。回復したらその話はネタになるので、失敗したらより面白いになれると僕はとりあえずそう信じています。
僕も改めて、他人の目は気にせず、自分のやりたいことを追求していきたいと思います。
自分の時間を生きているか
いろいろ方法は書いてあるけど、結局ここに集約されるんじゃないか。
これも、この本で初めて登場したものじゃないけどね。そもそも全員が前の本を読んでいるわけじゃないので、何回登場しても特に問題はないっす。
ちなみに自分の時間・他人の時間の内容は詳しくはこっちの本の方が詳しいです。
常に自分のために行動できているか。できていなければ、「他人の時間」を削る。会社なんて他人の時間を生きる最たるものだから、堀江さんは会社が嫌いなんでしょうね。
教養の身につけ方について
多動力を身につける方法として「自分の分身を作ること」が挙げられていた。自分の考えを真似して広げてくれる誰かがいますか?ということだろう。
確かに自分一人ではやれることが限られている。だからこそ自分にしかできないことをやって、後の作業は他の人にやってもらうために分身を作るってことになる。
会社の社長とかがいい例なのかな。知り合いの社長とかを見るとすごい上の内容に納得する。とにかく無駄な仕事は他の人に任せて効率化することを考えて、あとはとにかく自分の好きなことをしている。
ちなみに理想の社員は
「特に欲はないけど、自分の頭で考えて行動できるやつ」
らしい。自分の言ったことをしっかり反映できる奴隷社員が欲しいそうだ。
「ちなみにお前のことだ。考え方はまだクソだけど」
とも言われた。
うるせぇーーー!
だから先月の給料払ってないのかよ!
と思ったが考え方が甘々なのは正論なので、こうはならないようにしようと決意した。
話がそれた。
その分身を作るためにはしっかりとした教養を身につける必要があるようだ。
そのために
- 気になることは徹底的に深掘りする。
- 気になることはすぐにググって調べる。
- 恥ずかしがらずに質問する。
- その質問も聞きたいことを的確にする。
これも塾の生徒を見て思ったことだけど、頭が悪い子は自分で調べないし、質問も結構クソみたいなものをぶつけてくる。
どこがわかんないの?って聞くと
二次関数!
とか答える。
いや二次関数のどこだよ。
そしてどこの問題を聞いているのか。
そもそも答えを読んだのか?
なんでそこがわかんないのか考えたのか?
それで教科書読んだか?
それにお前は好きなもの何?って聞かれたら、甘いもの!って答えるのかよ!
まあ答えるのかもしれないけどさ。
それに甘いものにもいろいろあるだろ?
プリンとシュークリームじゃかなり中身が違うだろ?
そういうことを踏まえてそういっているのか?
そんな感じに思ってから一息ついて、表現を柔らかくして本人に言うのだった。
いやいや、二次関数のどこだよ。
って。
中学生ならまだしも高校3年にもなってそんなことを言われるとため息が出る。中学生でもできている子はいるので、年齢はあまり関係がない。ブーメランにならないように、改めて自分も同じことをしていないかを確認する必要がありますね。
気になることの深掘りについては「好きなことに没頭する」って部分と考え方が似ている。気になった部分は徹底的に調べることによって、考える力が身につく。それの繰り返しが教養になって自分の力をつけるんですね。
最後に
これからの時代は「多動力」が必要になってくる。そのためには他人の目を気にせず行動するメンタルが必要。そのメンタルをもとに、いろいろ好きなことにたくさん挑戦する。見切り発車でも中途半端でいいからやってみる。そして自分の時間を生きていくために他人の時間を減らしていく。電話とか無駄な会議とかね。最終的には多くのやりたいことをやるために、自分の考えを実行してくれる人を用意する。そして自分にしかできないことをやっていく。最後に健康に生きて、楽しい今を生きようぜ!
そんな感じの本でした。
堀江さんの本は言いたいことだけがすっきり書いてあるので読みやすいです。この本も1時間くらいで読めました。
この本を読んで学んだことは忘れずに実行していきます。
まずは、残っている Just do it の部分をやりましょうかね。
それではー。