物語の思考法

~2次元と3次元をつなぎたい~

アルケミスト(1994) 感想 「あなたのやりたいことはなんですか」

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

評価:★★★☆☆(星3.5)

(内容だけなら星5つレベル)

表現にやや難あり…
 

 

はじめに

ブックオフで購入。フィクションなんだけど、人生を生きて行くための教訓が満載されたお話でした。読めば必ず一回は読書を止めて、自分の人生と照らし合わせるシーンがある。そんなお話でした。
 
人生って何だろう?
って思った人におすすめです。
 
ちょっと内容や表現が硬いので、ラノベとかよく読んでいる人は読みづらい可能性があるかも。まあ200ページほどなのでさらっと読めます。若干ストーリーや表現に違和感があったので3.5としました。内容だけなら星5レベルでした
 
 
 
 
 

ポイント

僕的ポイントをあげます。今回は2点
※ここからネタバレあり
 
 
 

トーリーに関しては特に面白みはない!

トーリーは大して面白くありません。
 
 
よくわからない予言にしたがったり、魔法的なパワーで難所を乗り切ったりしているので、ストーリーの整合性とかそういうものを気にしていると一気につまらなくなります。僕も途中で
 
「こいつ、頭おかしいんじゃないの?」
 
と何回も思いました。
 
 
まあそこは、このお話はラノベと違ってトーリーを楽しむものではないと割り切って読んでいました。
 
 
 
ブラジル出身の人が書いているので、日本人とは文化的・宗教的な背景が違うのでしょう。その違いが物語の描写に現れているのだと思います。けれどもそのストーリーの中で少年が学んでいっていること、考えていることは現代社会にも十分適応できることでした!
 
 
 
中心となっていることが、
 
自分のやりたいことを追求する
 
という部分でした。
 
 
 

あなたのやりたいことはなんですか

トーリーとしては
 
 
少年は旅をしたいという志を持っていました。その志にしたがって旅ができる羊飼いという仕事についています。その中で予言という形でピラミッドに財宝があることを知り、行くことを決意します。スペインからオアシスを経てエジプトまでの旅で様々な人との出会いを繰り返し、ピラミッドにたどり着きます。けれどもそこに財宝はなかった。結局財宝はスペインの自分が住んでいたところの近くにあった。
 
 
 
的な感じでした。
 
 
最初はエジプトへ財宝を探しにいったけれども、最終的には財宝なんてどうでも良くなっている。少年にとっては旅で得た仲間や経験の方を重視するようになっている。加えて自分がやりたかった旅もしっかりやりきっている。
 
 
 
この物語では自分のやりたいことを追求する大切さが描かれている。その中で出会う困難に大してどう自分が向き合って行くべきかという方法がいくつも提示されていた。自分のやりたいことを追求して行く時に出会う困難や成長が少年の旅を通して体感できた。
 
 
やりたいことというものは、それをやりきった時に得られるものではなく、そこに至るまでの過程こそが財宝だということ。けれども自分の目的を持たなければ歩き始めることすらできない。
 
 
 
悲劇が起こった時に
 
「あわれな犠牲者」と考えるか
「宝物を探し求める冒険者」と考えるか
 
どちらになるかは自分の生き方次第ということだった。
目的を持って生きて行くことの大切さを教えられた。
 
 
 

最後に

 
正直オアシスにとどまる前までは面白かった。けれどもそこから、盗賊に捕まって脱出する?までの流れは魔法的な力が働きすぎてイマイチだった。
 
 
太陽や風との会話が意味不明です。
 
 
 
要所ごとに含蓄のある言葉が盛り込まれているので、途中でやめたくなることはなかったです。
 
 
 
ついでに説教くさいストーリーはつまらなくなるものなんだなー。
いいこと書いてあっても、その表現の仕方が大切ですね。
一歩間違えたら、ただのクサい表現になってしまう。
 
 
 
それではー
 

 

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)