閃の軌跡Ⅳ (2018) 感想 「ダメな部分が極まった過去最高につまらない軌跡」
評価:★★☆☆☆(星2つ)
閃の軌跡Ⅳの感想です。
なんとか最後までプレイできたので、簡単に感想を書いていきます。
良い点・軌跡シリーズが進んだこと・閃の軌跡が完結したこと悪い点・クソつまらない似たような展開を繰り返す・同じフレーズが何度も登場するひどすぎる文章・いつまでも本気を出さない敵と倒す気が全くない仲間たち・存在感がなさすぎる無駄に多い仲間たち・主人公の異常すぎるハーレム展開と無個性状態・サブクエストが邪魔・クロスベルの扱いが適当すぎる・死人が生き返りすぎ・モブキャラがメインストーリーに絡んでくる
僕の背景です。参考までに
・空零碧閃Ⅰ~Ⅲをプレイ済み。
・今回は70時間ほどでクリア。発売日に購入してクリアまで一ヶ月ほどかかった。
以下ネタバレありの感想。
良い点
・軌跡シリーズが進んだこと
結社は至宝の回収が目的ではないようです。碧の軌跡で「幻の至宝を回収しなくて大丈夫なのかよ」と思いましたが、結社なりの理由があるらしい。何やら至宝が起こす事件の結末を見守ることが目的のよう。因果律とか外の世界とかどんどん話が大きくなってきて、こういうような軌跡シリーズ共通の部分に関する展開は面白かった。
この展開がカンパネルラやベルが思わせぶりな態度をとりながらもベラベラ喋りすぎだとは思いましたが。
・閃の軌跡が完結したこと
内容はともあれ、軌跡シリーズの設定を活かしながらシナリオを作ってしっかり完結させたことはすごい。帝国という大舞台で多くの登場人物を描きながら、主人公たちの物語を進めていくのはとても大変なのは容易に想像できる。
結果として登場人物が多すぎたり、いらない人物がいたり、キャラクターが薄っぺらかったり、主人公がハーレムになったり、物語の展開を引き延ばしたり、セリフがクサすぎたりしましたけど、それでも作品を完成させて売り切ったのはちゃんとした成果だと思います。
今回の反省点を次回に活かしてくれれば最高。
悪い点
無理やりひねり出したお世辞はここまでにして、本題はここから。
・クソつまらない似たような展開を繰り返す
ピンチになったら仲間が来る展開、何回やったのか。
敵を倒したら実は全く本気を出してなかった展開、何回やったのか。
目立った展開としては上の2点だけど細かいところでは、ユウナがお説教して仲間が本気だす、そもそも閃の軌跡Ⅳの1,2部が閃の軌跡Ⅱの展開と同じとかも気になった。かっこいいシーンも何度も繰り返せば一瞬で陳腐になって一気に冷める。
閃の軌跡Ⅲの時からピンチになったら仲間が助けに来るシーンを何度もやっていたのにまだ繰り返すのか。閃の軌跡Ⅳは最終章なのに1部からこの展開だったので、もうやめようかなと何度も思った。作っている側は一体何をどう思って作成したのだろうか。本気でかっこいいと思っていたら、falcomの感覚は昭和で止まっているかもしれない。
・同じフレーズが何度も登場するひどすぎる文章
ははっ、ふふっ、あはは、…あ…、ハッ、届かせてもらう、気を引き締めていこう、全力でサポートします、意気やよし
おなじみのフレーズが今作もたくさん登場した。今作からは、成長したな、教官冥利につきる、が仲間入り。
この言い回しは閃の軌跡の味なのかと思ったけど、空零碧ではそのような特徴的な言い回しが印象に残ったことはないのでこれは単純にライターの実力がダメなだけ。1~3も含めて本当に文章をチェックしたのかな。それとも文章にダメな部分が多すぎて、修正するのもイヤになったとか。
・いつまでも本気を出さない敵と倒す気が全くない仲間たち
閃の軌跡ではおなじみの展開。今作も引き続きやってました。もはやあの世界では殺すという概念がないのか。それともここの世界の戦いはスポーツみたいなものなのか。世界が滅ぶかもしれない戦いを助長している奴らに対して、「届かせてもらう」とかもう頭がおかしいよ。
帝国側も国にとってはテロリストでしかないリィンたちを見逃しすぎだし、本当に指名手配されているのか疑わしいレベル。相克のためとはいえ、危機感が全く感じられなかった。
・存在感がなさすぎる無駄に多い仲間たち
旧Ⅶ組、新Ⅶ組を初めとして、本当に登場する必要があったのか?と感じる人たちが多かった。旧Ⅶ組、新Ⅶ組に関しては確かに最低限の役割はあるのだけど、物語に登場させたいから無理やり引っ張り出している感じがした。
音楽の展開とか、エリオットがいるから無理やり作ったのでは?と思ってしまう。そのせいで帝国軍がバカの集団にしか見えない。エリオットとかマキアスとかラウラとか一瞬無理やり登場して消える人たちを削って、エマとかクロウとか絶対に必須な人にリソースを割いて欲しかった。
そんな中で存在感がなく役割がないくせにぞろぞろと新旧Ⅶ組が全員登場して、小学校の卒業式のごとく全員で一言づつ喋る展開は最高につまらなかった。
・主人公の異常すぎるハーレム展開と無個性状態
絆イベントがあるのは別に構わない。
だけどその絆イベントがリィンがかっこいいことを言ってイチャつくだけの特に面白くもなんでもないイベントだったのが問題。繰り返すが、絆イベントでは「全員」に対してカッコいい言葉を言うだけのイベントなので、閃の軌跡を通してリィンがどんな人か全くわからない。4作通して碧の軌跡のワジのような、その人物に関する重大な秘密がわかる絆イベントがあった記憶がない。
それにこの作品では鬼の克服の場面などの多くの場面で仲間との絆が強調されているけど、それはリィンと「仲間たち」の絆であって、決してアリサやフィーとの絆とは思えなかった。閃の軌跡の仲間との関係は空や零のような個別の関係を描いたものからなるつながりではなく、全てはあの薄っぺらい絆イベントなので、リィンとの固定の関係は存在しない。そのため「仲間たち」はもはや誰でもいい。
ストーリーで固定の関係が存在せず、絆イベントも女の子を口説くだけといった同様の展開が繰り返された結果、ストーリーが希薄になってしまったことも閃の軌跡がつまらなくなった原因の一つではないのか。
・サブクエストが邪魔
・クロスベルの扱いが適当すぎる
それがまさかのエンディング直前で使い回しのグラフィックを使って数行語っただけで終了なのはさすがに雑すぎる。4作引っ張ってそれかよと。もうクロスベルはやる気がないのか、ダメダメライターが書く気が無かったのか、次回以降でやるのか、どうなんでしょう。まあもう軌跡シリーズ自体がどうでもよくなったのでもういいけど。
・死人が生き返りすぎ
Ⅲで死んだ人が全員生きてるなんて優しい世界ですね。本当にⅡより激しい戦争していたのかな。死んだ人間が生き返ると死に対する重みが全くなくなるので1回だけにした方がいいですよ。
・モブキャラがメインストーリーに絡んでくる
メインストーリーに絡んでいないモブキャラをメインストーリーに登場させるのはやめて欲しい。同級生とか全員覚えていません。できる限り話しかけるようにはしてたけど、さすがに閃の軌跡Ⅲの1年前のモブキャラでさえも記憶が怪しいのに、5年前の閃の軌跡Ⅰのモブキャラなんてもうわからない。そういえばそう言う人もいたかなーといった程度。
モブキャラに「あなたは!」とか言われても覚えてないし、「その声は!」とか言われてもそもそもCV被りまくっているので声ではわからない。
他にも相変わらずキャラクターがカクカクとか、CV◯◯とかうざいとかあるけど、前作と被っているので今回は書きません。前作の感想の悪かった点に書いたので、もしよければ見てみてください。
まとめ
閃の軌跡Ⅰはクサい展開やストーリーやモデリングの技術力不足などが気になったけど、物語としてはまだ楽しめていた。だけどⅡとⅢへとシリーズを重ねるうちに展開や演出やテキストが雑になってⅣでダメな部分が極まった結果、本当にクソッタレな物語になってしまった。
年々クオリティが下がっていって、多くの部分でⅣまで改善が見込めなかったので次回作を新品で買うということはまずないでしょう。
だけどAmazonでは批判的なレビューが多い一方で、海外の評価(Steamより)や一部ユーザー(Amazon星5の人)には人気なようです。そのためfalcomが閃の軌跡の結果をどのように捉えて、次回作をどういう展開・クオリティの作品を作るのかという部分は楽しみにしてます。
他の人はどうあれ、少なくとも僕は後者であることを願っています。